カーモデルって、完成すると8割ボディカラーを眺めることになりますよね。ごちゃごちゃしたエンジンとか車内は最終的に案外見えなくなる。で、「特定のメーカー純正色になみなみならぬコダワリがある」というときはいいんですが、「好きな色に塗りたいな」と思ったときになかなかチョイスが難しい。とくにちょっと年代の古いクルマだとイマドキのバキバキに発色してツヤ持ちの良い塗料よりも少しだけ落ち着いた色が似合うな、なんて思います。さらに言うと、カーモデルなので「ツヤあり」の塗料じゃないとどうも落ち着かない。
で、模型屋さんの塗料棚を眺めると、ミリタリーカラーかバキバキの原色、もしくは特定のブランドを強くイメージさせる塗料(ex.カワサキのライムグリーンとか)が多いんですよね。中間色を選ぼうとするとミリタリーカラーに行きそうになるんですが、これはだいたい半ツヤです。
「ブルーがいいけど、ちょっと赤と黄色が混ざっていてツヤありがいいな〜。しかも自分で調色すると途中で塗料が足りなくなったときに追加で同じ色味にならんしな〜」というのび太くんもびっくりのズボラな要求に応えてくれる塗料……そのひとつにバーチャロンカラーがあります。そう、あのゲームに登場するバーチャロイドのプラモを塗るための専用色っつうのがあるんですよね。
>ガイアノーツ 電脳戦機バーチャロン カラーシリーズ 製品一覧
バーチャロンのカラーリングって非常に秀逸で、バキバキの原色から少しだけ色相をズラして補色を散りばめたりしているからめっちゃオシャレなんですよね。しかもですね、ガイアノーツの専用色っつうのはツヤありなんだな。エアブラシ(か、イージーペインター)が必須になってしまうんですけど、自分で作れって言われたらちょっと悩むなぁという色味でカーモデルを塗れるのがイイ。当然飛行機とか戦車とか、好きなものを塗ってもいいんですよ。大事なのは、「微妙な色調でツヤあり」ということ。
今回はテムジン747Jをはじめとしたいろんなバーチャロイドに使われる「マーズダークブルー」をチョイス。バッキバキの青ではなくて、少しだけ明度彩度が低く、微妙に赤みのある色調がオトナでクラシックなイメージにぴったりでござんした。
「でもこんなテロンテロンのツヤに吹くのって大変でしょ?クリアー吹いて研ぎ出しとかするんですか?」みたいなイメージがカーモデルにはありますが、ご安心ください。
今回はマーズダークブルーをバーっと吹いてから(あんまり考えずに濃いめのをドーンと吹くと8分ツヤくらいになります。ちょっとユズ肌気味)、半日乾燥させたあとにGSIクレオスの水性プレミアムトップコート(光沢)を「いやそんなに吹いたら垂れますって!」というくらい吹き付けています。
湿度の高いこのシーズンだと、吹き付けたクリアが白く濁って「破滅〜〜〜!!」みたいな気持ちになりますが、大丈夫。ホコリのつかないところに1日置いておきましょう。カッチカチのピッカピカになります。ワシはこれがなかったらクルマの模型こんなに作るようにならんかった……。
下の記事を読めばどれくらい吹けばいいか書いてあるよ。
そして仕上げの補足情報。ツルツルのボディも、ウィンドウや小物パーツをつける工程でちょっとしたホコリや指紋が付いたりしますよね。そんな時は「すべての工程が終わって完成!」というところで最後の最後にMr.クリアーコーティング(写真は旧製品ですが、いまは水性のいい感じのやつが発売されています)を付けたティッシュで全体を優しく拭ってください。
細かい汚れが取れる上に、ものすげーツルンツルンになってびっくりします(ツヤ消しの模型がツヤありになるわけではなく、あくまでツヤありの模型の仕上げ用です)。ちなみにこのポリマーコーティングの上からはいっさいの作業ができなくなるので、本当の最後に施しましょうね。そんじゃまた。