

「スタイルが良い」「設定画どおりに色分けされてる」「ポーズが取れる」。プラモの褒め言葉としてどれもGOODですが、裏返してみると最近のロボットプラモはだいたいこの条件に当てはまるものばかり。つまり、ロボットプラモはスタイルが良くて色分けされていてポーズが自在に取れるように作られている、ということでもあります。

どっこい、MODEROIDのブルドッグを組んだ感想は「そういう常套句的なセールスポイントをあえて追いかけなかったから成立したプラモなんだな」というものでした。素晴らしい体験、素晴らしい組みごこち。そして2020年だから味わえる、「これでいいのだ」というすがすがしさ。爽快で、悔しくて、でもすごく楽しみな気持ちになれる快作だと思います。

もちろん、このプラモの「良くないところ」をあえて書こうとすれば「挟み込みの多用によって塗装がしづらい」「足の裏に肉抜き穴がある」「設定の色が再現できていない」「ポージングの幅が狭い」と、たくさん挙げられるかもしれません。引き換えに「それらをすべてクリアしたプラモが本当にほしいかどうか」とか「クリアしたとして、それはどれくらいの値段になるんだろうか」みたいなことはどこかに飛んでいってしまう。


このプラモの褒めどころは、「アウトラインとディテールは2020年のプラモだからしっかりしていて当然。そこに最低限のユニット分けと”キャラクターの強さに見合った軽快な組み心地”を持ち込んで、パトレイバーの世界観の広がりを作り出せるプラモがようやく送り出された!」というところにあると感じます。ただ漫然と組んでいても「ああ、ここは気を使っているんだなぁ」と思えるところはいくつもあったし、このフォーマットがアリなら、あれやこれもプラモにできるかもしれない。大人気でかっこよくて強いものだけが、よく動いて美しい出来栄えのプラモになる権利を持っているだなんて決まりはないのです。



そう書いてみると、いままでセールスポイントだとみんなが信じ込んできたものが、本当に「良いもの」を構成する必須要素だったのかどうか、考える余地が出てきます。nippperが考える「模型の褒め方を考えたい、みんなでいろんな角度から褒めたい」という考え方は、これまでのプラモを新たな角度から「いいものだな!」と思える気持ちをみんなでシェアするのと同時に、これから生まれてくるプラモがもっともっと多様であったらいいなぁという願いでもあるのです。