模型誌に掲載されている多くの作例は「エアブラシ」という塗装工具で塗装されたものがほとんどです。均一に美しく塗装されたガンプラ、煌めくようなカーモデル、歴戦の姿が投影された戦車模型。エアブラシという塗装工具だけでここまでの世界が広がるんだな〜と模型誌は毎月見せてくれています。
こんな便利な塗装工具。「オススメは?、どう使えば良いですか?」と聞かれると、僕はマジで導線が2ミリくらいしかない短気野郎なので「雑誌に載ってるやつはどれ良いものだからから、デザインとかで気に入ったやつを買えばいいっす!」と答えてしまいます。
そんな人ばかりだとエアブラシがずっと模型店でホコリをかぶって化石になってしまいますね。だから模型雑誌がきちんと優しく教えてくれます。ホビージャパン2021年3月号「エアブラシの教科書」。エアブラシでできる基本事項がぎゅうぎゅうに詰まっています。
エアブラシは塗料を吹き付けるハンドピースと空気を供給するコンプレッサーからなります。これらは目まぐるしく変わる工具ではない分、定番として多くの人から支持されているものがしっかりあります。そのような定番で良いものを改めて紹介し、なぜ良いのかをきっちりと解説しています。
僕自身、モデルグラフィックスの特集でプチコンがカッコよく表紙に載っていて、コレ使ってみたい!となんも考えずにプチコンを買ったのがエアブラシデビューでした。HJの通販ページのアリスホビーの広告から買ったのも覚えています。それで5年以上ガンプラを塗ってました。塗装ブースもなかったので窓を開けて直吹き。工具を使いながら環境を整えて行きました。
HJの特集ではこれを買うべし!ということは一切言っていません。提示されている工具から自分にとって何があっているのか、どんなものが必要なのかを考えて購入プランを立てるのもこのような特集を楽しむ方法だと思います。工具の正解はあなたの中にしかないのです。
情報過多の時代だからエアブラシ塗装に対していろんなネガティブな意見も自然と入ってくると思います。それにあなたがとても共感する部分があるのならあなたには「エアブラシがあってない」のだと思います。まさにNot For Meです。そう感じたら、「自分のスタイルに合う楽しみ方を思う存分楽しむ」で良いと思います。誰も文句なんて言わないし。そんな文句を聞いて気持ちの良い人なんていません。エアブラシ塗装だけが模型趣味の全てじゃないことはnippperを読んでいただいている読者の皆様には体感してもらえていると思います。
僕は今の生活にラッカー塗料はNot For Meです。でもラッカーの素晴らしさを知っているからあーだーこーだー言いません。それを言ってもなんも良いことなんてないですからね。むしろラッカー塗料を生活環境にどうやってうまく取り込んで使いこなしているのかの方が気になるのでポジティブウォッチングしにネットを調べたり友人と話したりします。今回のHJのように「エアブラシ」に関してまとまったものを読んで、友人たちとポジティブな話をしていけばさらに塗装に対して良いことが発見できると思います! どんどん「ポジティブ」に行こうぜ。またね。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)