『艦船模型スペシャル』2020年冬号で「模型誌を読むことと模型を作ること」について考えた。

 「えっ、もうですか!? こないだ『艦船模型スペシャル』の赤城/加賀特集を読んだばかりな気がするんだが……。」と思ったのよ。だけど、カレンダーを見ればきっかり2ヶ月が経過しています。まいった。前号を読んで「いますぐ赤城を組みたい」と思って、模型店でハセガワの1/700赤城を買って、ハコを開けたり閉めたり、説明書を伸ばしたり畳んだりしながら「甲板の上に零戦を何機並べるとカッコいいんだろう……」とか調べているうちに、60日が過ぎていたというワケ。本当に作る暇がなかったのか、それともただ作れるような気がしただけだったのか、それともそもそも作る気がなかったのか、自分でもわからないんだな。

▲ここ、めっちゃ役に立ちます。明日やりたい。

 模型誌は甘美な読み物ですし、私は模型誌を読むのが心底好きな人間。読んでいてタメになることがいっぱい書いてあるし、すっごくカッコいい作例が載っていて、オレもこんなのが作れたらさぞかしモテるだろうな……などと夢想しちゃいます。しかし、年月が経つのはあっという間。そこで仕入れたモチベーションや知識が血肉になってバババっと完成品になるのを次の模型誌の発売日は待ってくれないんだよね。

 さて、今回の艦スペは「第三次ソロモン海戦1942」が巻頭特集です。ガダルカナルをめぐる攻防で夜戦や戦艦同士の砲撃戦といったエピソードが伝えられるこの戦いを、フジミの霧島/比叡、アオシマの愛宕、ハセガワの衣笠やタミヤの長良といった作例で振り返っています。

▲前号に続き、スター・ウォーズの史料解析スペシャリストが挑む赤城艦橋の考証もすこぶるおもろい。

 重要なのは、ただ「こんな艦艇が参戦してましたよ~」というカタログ的な作例にとどまることなく、それぞれの製作テーマに合わせて実践的な製作工程の紹介が入っていること。これを読むと「うわー、やってみたい!」と思うのですが、腕っこきのモデラーが寄ってたかって作った作例(しかもそれなりに時間をかけ、テーマをしっかり設定して作った模型)ですから、ひとりが余暇を使って全部やろうと思っても簡単なことばかりではありません。

▲『II』じゃなくて、初代クイン・エリザベスの数奇な運命は読み応えグンバツ。

 艦船模型にそこまで詳しいわけではない私も、やっぱりこうして様々な戦歴とともに具体的な艦種とそれに応じた演出法と工作法を見ていると毎度毎度ムラムラっと「艦船模型に触りたい!」という気持ちが沸き上がってきます。次の艦船模型スペシャルが発売されるまでに、必ずや赤城をピピピッと貼って眺め、艦これで(おもにメガネのせいで)激しく愛した霧島の勇姿も眺めてやるぞと思った次第。

▲三笠公園のジオラマ、「うわー!行ったことある!」という人に刺さりまくります。

 私自身、「艦船模型は艦船模型に詳しい人のためのもの」と思ってしまう時がままあるのですが、やっぱりこうして知らなかったことを知り、カッコいいプラモの作例を見ると「いやはや、いつかは……」と思いながら、軽率に組むこと、まずは敷居をサクッとまたいでみることの大事さに気付かされるというわけです。「艦船、いつかは手を付けてみたいんだけど……」というアナタも、ぜひ私と一緒に「とりあえず貼ってみた!」からの「へー、こんな感じの模型なんだ!」というのを次の艦船模型スペシャルまでに味わってみませんか。とりあえずハセガワの赤城、すぐに手を付けることにしました。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。