「寄り添える戦車模型製作本」。ひとりの日本人による戦車模型維新。

 明治維新。その中心にいた日本人は、日本にやってきた外国人に学んだり、自ら海外へと赴き、新たな知識を得、文化を体感し自分たちの価値観に新たな引出しを作り出していった。

戦車模型海外技術指南: 日本の技法で使いこなす最新海外マテリアル (AFV MODELER SELECTION)

戦車模型海外技術指南: 日本の技法で使いこなす最新海外マテリアル (AFV MODELER SELECTION)

真, 平井
3,740円(09/23 18:01時点)
発売日: 2020/07/31
Amazon

 「突然なんだ?」と思うかもしれないが、今回ご紹介する本は、ひとりの日本人・平井 真氏が戦車模型製作において、海外モデラーがとるテクニックやマテリアルを自身の作品製作に取り入れながら学んで行き、自身の技法(タイトルの日本の技法と言うのは「平井氏の技法」としてフミテシは解釈し、本書を読んだ)にした成果をまとめたものである。まさに戦車模型維新。日本人が教える「戦車模型海外技術指南」なのだ。戦車模型の新たな価値観や見せ方がみつかるかもしれない……手に取った人にそんなことを思わせてくれる1冊だ。

▲見開きで戦車模型の変遷をサクッと読める記事。海外モデラーによるテクニックがどの時期に来たのか?黒船はいつ来たのか!?その目で確かめよう
▲著者で平井 真氏の模型歴と、如何にして「和製外国人」というキャッチが付けられるほどの作品を作り上げるまでになったのかも記される
▲メインパートであるテクニック。模型言葉ではなく「泥」「埃」「雨だれ」と多くの人が想像できる言葉を選び、これから紹介される項目へのイメージが沸きやすいようになっている
▲平井氏による解説は、彼自身が撮影した非常にクリーンで解像度の高い写真を使って行われる。使用されたマテリアルが、ページのアイコンのようにあしらわれている
▲各項目を締める完成写真。ここに辿り着くまでに、どのような技法がこの模型に施されているのかを知ったあなたにはこの作品がどううつるのだろうか

 びっくりテクニックが多数収録されているような「ショー的How to本」も目に喜びを与えてくれるが、本書はそのタイトルが表すように「テクニックを共有しよう」という気概に溢れている。こうした「より添えるHow to本」は長い間愛されることだろう。戦車模型の製作本として、間違いなく多くの人にオススメできる1冊である。

 また本書のデザインを担当したのは高梨仁史。じつは僕らのサイト「nippper」のロゴを作ったのも彼である。模型本の中に新たなデザインセンスを持ち込む彼の仕事にも、今後注目してほしい。

戦車模型海外技術指南: 日本の技法で使いこなす最新海外マテリアル (AFV MODELER SELECTION)

戦車模型海外技術指南: 日本の技法で使いこなす最新海外マテリアル (AFV MODELER SELECTION)

真, 平井
3,740円(09/23 18:01時点)
発売日: 2020/07/31
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フミテシ
@neofumiteshi

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。