
明治維新。その中心にいた日本人は、日本にやってきた外国人に学んだり、自ら海外へと赴き、新たな知識を得、文化を体感し自分たちの価値観に新たな引出しを作り出していった。
「突然なんだ?」と思うかもしれないが、今回ご紹介する本は、ひとりの日本人・平井 真氏が戦車模型製作において、海外モデラーがとるテクニックやマテリアルを自身の作品製作に取り入れながら学んで行き、自身の技法(タイトルの日本の技法と言うのは「平井氏の技法」としてフミテシは解釈し、本書を読んだ)にした成果をまとめたものである。まさに戦車模型維新。日本人が教える「戦車模型海外技術指南」なのだ。戦車模型の新たな価値観や見せ方がみつかるかもしれない……手に取った人にそんなことを思わせてくれる1冊だ。






びっくりテクニックが多数収録されているような「ショー的How to本」も目に喜びを与えてくれるが、本書はそのタイトルが表すように「テクニックを共有しよう」という気概に溢れている。こうした「より添えるHow to本」は長い間愛されることだろう。戦車模型の製作本として、間違いなく多くの人にオススメできる1冊である。
また本書のデザインを担当したのは高梨仁史。じつは僕らのサイト「nippper」のロゴを作ったのも彼である。模型本の中に新たなデザインセンスを持ち込む彼の仕事にも、今後注目してほしい。