
「透け止め」とか、「黒止め」とか、みなさんは聞いたことありますか?(←え?なんすか?byフミテシ)。検索するとこの季節に見られるエアリーでシアーなおしゃれ服ばかりが表示され、透けを活かした涼しげな着こなしがたくさん出てきます。逆に「透けない着こなし」なども表示されますね。模型とは関係ない言葉のように聞こえますが、そんなことはないのです!!
ズバリその正体は、主に飛行機のクリアーパーツに使われるテクニックです。飛行機のコクピットの窓であるキャノピーはだいたいクリアーパーツになっています。そしておおむねフレームも一体になっているので、透明な部分をマスキングしてから塗装するわけです。

クリアーパーツは外側を塗っても、クリアーだから外の塗料の色を内側から見ることができます。これが結構やっかいで、たとえば「外側が白だから」というのでそのまま白を塗ると、白が透けて見えちゃうわけです。逆光だとさらに透けます。ですので、逆光でも塗装が透けていないようにすることがポイント。これはマシーネンクリーガーの生みの親・模型番長の横山宏さんも言っています。都合のいいことに実機も内側を黒く塗っていることが多いので黒をキャノピーの外側に先に塗ってしまうのですね。

こうした内側の色をうまく見せないために、先に黒などの色を塗るのが透け止めです。まず黒を塗って、その上から外装の色を塗る。

そうすると内側に見える色は黒にすることができ、同時に透け防止になります。ものによっては飛行機の機内色で塗ってあげてもいいと思いますが、自分は黒子の部分だと思って基本は黒で塗ってしまいます。


こうした塗装はめんどうなキャノピーのマスキングとあわせて、自分はそれなりの数をまとめてこなしてしまういます。「今日はキャノピーをまとめて処理する日!」という感じでやってしまいます。明日の自分のために!黒くしたキャノピーは外皮の塗装のときに一緒にまた塗りましょう。あと。でかいキャノピーがある模型には超効果絶大ですよ!!
この透け止めというテクニックは、さらっと解説されることも多いのですが、外から覗いてみると地味に効いてくると言うか、やらないとなんとなく気になってしまうような、満足度に直結する作業です。重箱の隅をつつくような地味テクって自己満足の局地みたいなところですが、それも模型の楽しいところ。作った模型を手にとって眺めて「ここやったのよね~」なんて思うのって楽しい時間ですよね。