プラモ製作にシンデレラフィット。「ガラスのカッターマット」をオススメする理由。

 今日はいきなり結論です。ゴッドハンドのガラスカッターマットが本当に調子いいので買いましょう、という話です。

 これは企業広告じゃなくてガチで私が使っているからリコメンドなんですが、そもそもなんでこの話を書こうと思ったかというと、nippperのライターであるフミテシから「ガラスのカッターマットって怖くて使えないんですけど、何がそんなにいいんですか」と訊かれたからなんですよね。

▲ガラスの証明。上に置いたものが反射してますね。

 まずガラスというのはたいがいの金属より硬い。硬いのでデザインナイフの刃が沈まないんです。ナイフの刃が柔らかいカッターマットに沈むと、切っているラインがブレたりヨレたりすることがあります。しかし、ガラスのカッターマットにはいっさい刃がめり込みません。狙ったところをビシッと切れて、ガラス面には傷が付くこともありません。

▲刃がウニョっと沈むと、カットラインが曲がることありますよね。これなら絶対ない。
▲デカールのニスをきれいにカットしたい時、刃先の位置だけを気にすればOK。これは強い。

 さらに、沈まないという特性を生かせばエッチングパーツ(極薄の金属製パーツ)をカットするのも上手になります。柔らかいカッターマットの上でエッチングパーツを切ろうとすると、刃を入れたところを支点にエッチングパーツそのものがグニャッと曲がってしまうことがありますよね。ところが……。

▲「かちん」という音とともに、平らなままエッチングパーツを切り出せます。

 切られるものと切りたいものが常に平らな状態で、刃の剛性に負けずにバシッと下から支えてくれる。これがガラスならではの素晴らしいところ。

 ちなみに、「ガラスに金属製の刃を滑らせたらフォークを滑らせたときみたいにキーキー音が鳴るのでは?おぞましすぎひん??」と思う人もいるかもしれません。しかし、あれはガラスが鳴っているのではなくて金属のフォークが微細に振動することで発生する音。デザインナイフの刃を横に滑らせるようなことをしない限り(つまり通常の用法で「切る」動作をしている限り)は不快な音などいっさい出ませんし、僕自身聞いたことがありません。

 そして、最後に超重要なことがもうひとつ!

▲通常のカッターマットの使用状況。

 カッターマットって溶剤に弱いんです。そらそうだ。そもそもカッターマットの上で接着剤や塗料をハンドリングすることは想定されていません。接着剤や塗料がちょっとでも垂れて、これをあわてて吹こうものならラインは消えてしまい、一度へばりついた塗料はうっすらと汚いシミとなって永遠に残ります(そして、カッターの刃が入ったところは確実に傷跡となって残り、これがスムーズに作業できる限界に達すると廃棄せざるを得なくなります)。これ、めちゃくちゃモチベーションが下がるし、見た目にゲンナリするんですよ。

 しかし!ガラスのカッターマットは最高!なぜなら溶剤で拭ける。3秒でモチベーションが全回復して模型がガンガン作れるようになります。清潔な視界が確保されていること、超大事。

▲ヤラせなし!これが昨日の晩のガラスカッターマットの汚れだ!
▲ツールクリーナーを含ませたウエットティッシュでキュッキュ。
▲マジで元通り(この記事の最初の写真は新品ではないのですよ!!)。

 こびりついた塗料は溶剤で拭けば綺麗サッパリ落ちますし、へばりついた瞬間接着剤はデザインナイフやチゼルを使ってこそぎ落とせばカキーンと音を立てて飛んでいきます(ちなみに砥石とかダイヤモンドはガラスより硬いので、ヤスリ的なものをかけてはいけませんぞ)。いつでもフレッシュな気持ちで工作をリスタートできるのが、じつは最大の効能なのかもしれません。

 いやしかしアンタ、「B5相当のサイズ」って小さくない?と思った人、いるかもしれません。しかしオレは知っている。あなたの作業スペース、製作が進むにつれていろんなモノで埋まっていき、最終的にB5くらいの面積になってるでしょ。そう、最初から作業スペースなんてB5で充分なんですよ……。

 というのは半分冗談ですが、デスクを汚したくない人は大きめの通常のカッターマット(いま使っているもので充分です。うちはズボラなのでA2サイズ=620×450mm)をテーブルクロス代わりに敷いて、その真ん中にガラスカッターマットを置きましょう。この領域さえ維持していれば、だいたいの工作はできます。

▲きれいに拭けば、いつでも青い撮影台に!

 完成した模型を撮影するときにも、「カッターマットの上でありながら清潔感のある画像」を得られるガラスのカッターマット。寸法も伝わりやすいし、見た目にもプラモであることをしっかりと感じさせることができます。

 難点を上げるとすれば、青い地と白いグリッドはガラスの裏面から印刷されているので、ガラスの厚みぶんの視差が生まれること。通常のカッターマットのようにグリッドを目安にしてカットするのはあまりオススメできません(ちゃんと金尺を使って作業しよう!)。もうひとつは、裏面に貼り付ける滑り止めのクッション材(両面テープが付いている)がすぐにどこかに行ってしまうこと。これは溶剤で拭いたりしているのがいけないのかもしませんが、気になる人はDIY店で売られている防振ゴムなどを合成接着剤とかでビシーッと貼ってしまうのがいいかもしれません。

 そうそう、ハードな工作をするモデラーが常用するホットナイフや超音波カッターにも耐えらえるというのもガラスならでは。あとちょっとしたハンダ付けもこれの上でできちゃう。これは樹脂製のマットだとまず溶けたり傷ついたりしてしまう工作なので、ガラスなら安心して行えますね。

 ……ということで、ゴッドハンドのガラスカッターマットのいいところをいっぱい書きました。コストパフォーマンスを面積で考えず、本当にやりたいことをノンストレスで行うことに投資してみましょう。きっと「うわ、いいもの買った!」と思えるはずです。

 みなさんも、ぜひ。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。