タミヤ「3本セット筆」知ってます?/モデリングブラシ HF スタンダードセット

 普通の筆、普通のセット。そう思われているタミヤの「3本セットの筆」。本当にそうでしょうか? いつでも、どこでも、しかも手軽な価格で購入できるこの筆。僕はこの筆をしっかりと使った事がありません。タミヤさんは他に強そうな筆を出しているので、そっちにパクリと釣りスピリッツ。でもやっぱり気になるこのセット。どんな筆なのか?そこでウォーハンマーを中心に、様々な模型を筆塗りで仕上げて模型雑誌『月刊ホビージャパン』で掲載している関西のモデラー・ふりつくさんに聞いてみました。これってどうなの?

タミヤ モデリングブラシ HF スタンダードセット。平筆No.0、平筆No.2、面相筆・極細の3本セットで税抜き700円!
▲工具にもデザインが込められる。それがタミヤ。タミヤの工具は、模型を沢山作ってきた人にはとても身近で当たり前すぎかも知れない。そっと、僕たちの模型時間をデザインでも後押ししてくれている

フミテシ ふりつくさんは様々な筆を使ってきたと思うのですが、タミヤのど定番の3本セットって使った事あります?

ふりつく まずはあの筆から入りました。もちろん3本入っているし、安いってのがきっかけで。本当に入り口ですよね。そして今も実は使っているんですよ。とにかく特徴が明確な筆なんです。

フミテシ 今回使いながら筆の特徴を教えてもらってもいいですか? ド定番商品の特徴は多くの読者も知りたいと思います。

ふりつく もちろんです。それでは実際に見て行きましょう。このセットの筆は全てナイロン筆です。模型用の溶剤に耐性があるようにチューンがされています。模型メーカーが考えて出している筆だなと。ナイロン筆は弾力があり穂先のまとまりの良さとコシの強さが特徴です。塗料の含みなどは天然筆よりもやや物足りなく感じます。コシが強いので一定の線が引きやすいです。くにゃくにゃしないですね。以下解説してみます。

▲3本でそれぞれ線を引いてみました。コシの強さと、まとまりの良さが顕著なので、筆の太さ分だけす〜っと線を引いたり塗料を乗せたりするのにはすごく優秀な筆です。でも1本で微妙なニュアンスを表現したい!もっと細い線を引きたいとなるとこの筆よりも適したものが沢山あります。つまり役割が明確なのがこの3本セットの特徴なんです


ふりつく スポーツのボジションのように、点取る人、守る人、攻撃と守備の間を取るひとって感じでぴっちりきまっていると僕は思っています。

▲広い面積には平筆No.2。弾くようなコシがあります
▲ドイツ歩兵フィギュアの服のメインカラーであるフィールドグレーを、この平筆NO.2でざっと塗ります。まずは横着せず、この筆幅より狭い面積の部分は塗らないようにしましょう。餅は餅屋の精神です
▲次は平筆No.0。中間管理職のような筆。平筆No.2と面相筆極細の間を取り持ちます
▲主に装備品を塗ります。筆の太さをよく確認して。はみだしたら塗料が乾くまで触らないように。リタッチに適した子が次に控えていますので
▲このセットですごいのが、面相筆がいきなり極細になることなんです。極細って塗料の含みとかコントロールが難しく、細いのでもちろん広い面を塗ったりするのには適していません。平筆No.2、No.0の補助と細部塗装用という位置付けでこの細さになっていると考えられます。こちらもコシが強く、細い線を引きやすいです
▲ベルトや、他の筆ではみだしてしまった所などをこの極細面相筆で補ってあげます。すると3本の役割が見事に融合し、どんどん塗装が進んでいきます
▲最後にタミヤスミ入れ塗料のダークブラウンで各部にスミ入れ。余分な塗料の拭き取りにも各種筆を使用しています

フミテシ 僕なんかはざ〜〜って行きたくなってしまうんですよね〜。

ふりつく フミテシさんからは一度も理詰めで説明を受けたことないですし、ホビージャパン時代も「す〜っとか、こう、バシッとしたかんじでよろしく〜」っていう指示が多かったので、分かってますよ。ですのでフミテシさんも一度筆をよく見て、ナイロン筆の特徴を知って筆を動かしてみてください


フミテシ バシッとね!!


ふりつく オイ!

 3人よれば文殊の知恵。3本の矢は折れない。3という数字は確かに互いを補い合い、良さを引き出し合う関係に思えますね。定番の3本セットもふりつくさんが言う通り、それぞれの役目、得意な所があり、理解して使用すればより塗装が楽しくなります。使いすぎてダメになってもすぐ補充できる。いつも傍にいてくれる筆として、僕は今日から「タミヤ モデリングブラシ HF スタンダードセット」を製作机に置こうと思います。ふりつくさんの真似して塗ってみるぞ〜!

タミヤ モデリングブラシ HF スタンダードセット 本体価格税抜き700円

ふりつく
ふりつく

1989年生まれ。模型ホビーを愛してやまない雑食ライター。ステイホーム期間をきっかけにラジコンカーにはまり気味。