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【レビュー】異形のレーダーが醸し出す強烈なキャラクター性。ハセガワ「リガード(偵察型)」が魅せる、80年代SFメカの密度感。


 ハセガワが『超時空要塞マクロス』のプラモデルシリーズでゼントラーディ軍の「リガード」を最新技術で発売したとき、そのプロポーションの良さと組み立てやすさに狂喜乱舞したモデラーは多かったはずです。しかし、その基本設計の優秀さをベースに、さらなる「模型としての濃密さ」を引っ提げて登場したのが、この「リガード(偵察型)」です。

 劇中において、圧倒的な数で戦場を埋め尽くす標準型のリガードの中に混ざり、たった一機だけ、その隠密な偵察任務のために姿を現す本機。その「無数の中の特別な一機」という存在に、不思議と魅力を感じます。すっきりとした卵型の標準型とは異なり、頭部(胴体)上面に増設された巨大な複合センサーや各所から突き出たアンテナ類。この「前線で敵を偵察するためだけにセンサーを継ぎ足した」という説得力と異形感が、ハセガワのシャープな造形で見事に立体化されています。

 箱を開けてまず目を奪われるのは、新規金型で追加された偵察型専用パーツの圧倒的な密度感です。ハセガワといえばスケールモデルで培った超精密なモールド(彫刻)が特徴ですが、それがこのSFメカのセンサー類にもこれでもかと活かされています。丸いスリットの奥にあるレンズ状のディテールや、細いアンテナのシャープさは、パーツをランナーから切り出すだけで「おっ」と声が出る美しさ。劇中では巨人の兵士が乗り込む無骨なポッドですが、模型としてパーツを眺めていると、まるで早期警戒機や探査人工衛星のパーツを扱っているかのような、知的なワクワク感に満たされます。

 キットは、スナップフィット(接着剤不要)仕様になっており、パーツをカットするだけでパチパチと気軽に組んでいけます。複雑に絡み合うセンサーや脚部のパーツが、吸い付くように形になっていくプロセスはストレスフリーそのもの。大きな卵型のボディに、メカニカルなセンサーがカチッと収まる瞬間の手応えには、確かな設計の進化を感じます。成型色だけで設定に近いカラーリングが再現されますが、このキットをさらに輝かせるなら、頭部の大小さまざまなセンサーレンズに1手だけ加えるだけで、さらに良くなります。

 裏側に「ガンダムマーカーEX ガンダムメッキシルバー」を塗るだけで、クリアパーツの奥にあるセンサー部分が光を拾ってギラリと視線を返してくるようになります。

 無数の大群とは明らかに違う、その一機にしか与えられなかった情報収集メカの機能美。今夜は机の上にハセガワが誇るシャープなパーツを並べて、あの広大な宇宙の戦場に思いを馳せながら、この異形ポッドが形になっていく濃厚な時間をじっくりと楽しんでください。それでは。

ハセガワ(Hasegawa)
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SSC

1979年生まれ。サラリーマンの傍ら、模型誌でキャラクターモデルの作例も製作している。模型サークル「PLASTICBOMB」のメンバー

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