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【レビュー】零戦だからこそできることを突き詰めた設計の凄み!組み立てサポートも進化した「ファインモールド 1/48 零戦二一型」

 ファインモールドが送り出した1/48零戦は、実機の構造をプラモデルでも実現したかのようなパーツ分割を採用し、組み立てをより楽しく、処理する箇所を極力少なくしたキットに仕上がっています。五二型に続いて登場した二一型は、変わらない部分はパーツを共有しつつ、その長い主翼やエンジンカウルから胴体にかけてなど、大幅な新規パーツで栄光の二一型を作り上げました。

 五二型でもそうでしたが、コクピットのパネルはまさに実物の縮小のような佇まい。通常なら1パーツで構成されてもおかしくないのですが、なんと3パーツ。メインのパネルは五二型と共通で、上のパネルや下の基部が二一型で新しく作られた部分です。接着は少々大変ですが、本物のような繊細さや細かな違いが、零戦の奥深さを感じさせます。

 実物を思わせる構造を採用しつつも、コクピットはブロックとして完成させます。奥側にある檻のような桁は完成後に見える部分として再現され、そこに無線機やらさまざまな機器を取り付けていくことになります。コクピットの底面や隔壁などを取り付ける部分には、桁にうまく嵌合する箇所やピン受けなどが配置されているので、強度を確保しやすく、接着剤の取り回しもとても楽です。模型として、繊細なパーツをガタつかずにはめ込める準備も怠っていないのです。

 1パーツで作られた機体中央部に、すべての機器を取り付けたコクピットがスポッとハマります。こんな構造でいけるんだ……! という現代的な精度の高さと、機体を前後で分割することで生まれたこの構造。複雑に見えて、けっこう作りやすいんです。塗装済みのコクピットを組み込んだあとに、合わせ目を消すなどの加工が入らないのも良いところです。

 やはり面白いのは、窓枠とガラスが分かれていることでしょう。成型精度が上がったことで、いよいよこういったことができるようになりました。キットには従来どおり、自分で窓枠を塗り分けるクリアーパーツも入っていますが、やはり成型色の時点で窓枠とガラスが分かれている……! というところは感慨深いのですよ。

 さて、天蓋のほうなんですが、新たに治具パーツが用意され、貼り合わせをサポートしてくれます。ここで正直に言うと、自分も五二型のときにちょっとだけ難しいなと感じたのが、この3分割されたガラスをうまく貼り合わせるところだったんです。接着剤のチョイスにもよりますが、ひとつを貼っているあいだに別のひとつが取れてしまう、という経験もしたので、ここにサポートが来るのはとてもうれしい。

 しかも説明書にはQRコードがあり、しっかりとした紙の説明書に加えて、製作の手順や様子を動画でも確認できます。動画では塗装後のキャノピーを接着するのですが、治具でパーツを合わせたうえで、見えない位置に流し込み接着剤を慎重に流していました。なるほど。パーツを押さえる治具がないと精密に流し込むのが大変ですから、その役割がよく分かります。

 また、二一型の特徴として、空母のエレベーターに収まるように翼端を畳める機構があります。ここは差し替え式で再現。写真で立っているパーツは翼端を畳んだ状態のもので、断面のディテールもしっかり作られています。いちおう選択式ですが、うまく厚みを調整すれば、完成後も翼端の折り畳みができそうなくらいの精度と、差し込みベロの長さになっています。

 主翼が長く、シルエットが良い。二一型の好きなところです。また、ファインモールドのディテールの良さは、近くで見ると密度がすごいけれど、全体で見るとすらっと機体に溶け込む、という絶妙な調子にもあります。精度やディテールの強調を意識してゴリゴリに施すと、ケバくなりそうなところをうまく回避しているのは、まさに技ありです。

 前後に分割された胴体、別パーツになった窓枠、そしてほとんど現れない合わせ目……。零戦だからこそできることを突き詰めた、設計の凄みが詰まっています。完成するとディテールフルな零戦ができるのもうれしいんですが、そこへ至る道中の組み立てもまた面白いのが、ファインモールドの零戦シリーズです。二一型では組み立てのサポートも増えました。さあ、みなさんも栄光の零戦を作りましょう!

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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