
接着剤といえば、だいたい無色透明から白色が相場。売り場の接着剤コーナーにも、透明なビンが並んでいます。……そんななかに、明らかに違う色をしたビンがいるじゃないですか。そう、それがこのMr.セメントSPブラック<流し込みタイプ>です。


性能自体はセメントSPと変わらないスーパーパワーなのですが、やはり最大の特徴はその色。墨のような黒さがあります。付属のハケも真っ黒に染まっていて見やすいです。

粘度は低くサラサラで、毛細管現象によって合わせ目などへスッと流れていきます。黒いので、どこまで流れたかもひと目でわかります。接着剤を境目にきちんと当てられたかまで確認できるレベルです。

しかし白いパーツの場合、合わせ目をきれいにしても「接着剤をつけました」という痕跡がバッチリ残ります。なんのための合わせ目消しなのか……。

つまり、塗装するならなんともないぜ、というわけで、塗装が前提のキットなら存分に使用できます。今回は全体を白く塗るF-15Jで試します。最近のスケールモデルは精度が高く、パーツ同士が噛み合って位置を保持してくれるため、流し込み接着剤でスラスラ組み進められます。

流し込む位置が少しくらいズレても、パーツの裏側なら黒くなっても怖くありません。逆に、黒を表に出さずに済む流し込みポイントを探す目が養われます。

ファインモールドのF-15は、C/DやJ、そしてE型との違いを再現するために、背面のパネルが分割されています。こうして色がついていると、接着剤をあとどれくらい流せばよいのかがわかりやすい。また、接着剤がはみ出すと処理が果てしなく大変な場所でもあるので、つけすぎの防止にもなります。

小さなパーツがガッチリ接着されている安心感。さすがに最初は通常の粘度の接着剤で留めますが、ある程度組み上がったところで、合わせ目にどんどん流し込んで接合面を黒く染めていきます。艦船模型でも、小さなパーツをあとから流し込み接着剤でしっかり固めることがあるので、強化できたことを確認しやすいのはありがたいですね。

現在の塗料の力をもってすれば、黒い接着線くらいなら簡単に隠蔽できます。黄色にしたい場合は……さすがに白やサーフェイサーなどで下地を作りましょう。

さすがに、塗装後のパーツの接着には使いどころを選びます。うまく流せれば黒でスミ入れしたように見えますが、そもそもセメントSP自体に塗膜を溶かす力がそれなりにあります。さらに、余計なところに当たればそこが黒くなるため、やはり塗装後にはあまり出番がなさそうです。
パーツ同士がぴったり合わさる、現在の高精度なキットで縦横無尽に活躍する流し込み接着剤。その接着がうまくいっているか、どこまで流れているかを視覚化してくれるMr.セメントSPブラックは、そうした精密なパーツの接着に大いに役立ってくれることでしょう!