太陽の牙ダグラムが放映当時、「コンバットアーマーの精鋭部隊、通称24部隊と呼ばれている」というセリフにシビれた記憶が妙に焼き付いていて、いつかはと思っていた『ソルティック H8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl』をようやく手にした。箱を開けて「キャノピーの枠が塗ってあるぞー!」と思わず声が漏れたこの神パーツ。マックスファクトリーのおもてなしの心がさっそく嬉しい。

コーチマSplのベースであるラウンドフェイサーが発売されたのが10年ちょっと前。はたから眺めていてメカデザイナー大河原邦男の描くシルエットがそのまんまプラモデルになっていることに驚いた覚えがある。今回初めて手にして組み進めていくと、シルエットを成立させつつもポージング可動域の確保にも最大限努めていることに関心した。脚部こそパーツの合わせ目が目立つものの、それもシルエットを優先したゆえなのだろう。手のパーツの造形、表情も大変素晴らしく、’80sリアルロボットプラモデルの決定版ハンドパーツと思えるほどだ。

関節や可動部はポリキャップを用いており、リアルロボットプラモデルとしては一世代前の設計となる。ただ、ポリキャップが目立たないようカバーパーツまで用意されるなど、細部にまでこだわりが行き届いている。初手で頭部~胸部と組んでいくのだが、この時点で「大河原邦男のソルティック、まんまじゃん!」と早速驚かせてくれた。そう、久しぶりにポリキャップ仕様のメカを組んだのだが、関節のホールド感がしっかりしていてこれはこれで良さがあると思えた。

コーチマSplのスペシャルたる所以、右腕のハンドリニアガン。そして背負ったターボザックと繋がる動力パイプが…… 例のスプリングで再現されている! 例のスプリング、ダグラム~ガンダムMSVのディテールアップアイテムとして、模型誌の作例で頻繁に使用されていた動力パイプとしてのスプリング。時を経て、自分が手にする日が訪れようとは!! 当時、小学生だったのでこれを用いて改造する技量は持ち得なかったし、大人になってからはリアルロボットプラモデルを改造する機会もなかったので「存在はよく知っているが生涯触ることはないモノ」のひとつだった。なのでこのスプリングひとつでけっこう興奮してしまった。

組み上がると量産機なのに大変ヒロイック! 例のスプリングの効能も強い! 緑のラウンドフェイサーが青くなってハンドリニアガンが追加されただけだというのに完全に強キャラ! なぜ、どうしてー!?

プラスチックの色まんまでもほぼ設定どおりの塗り分けになっているので、後は水転写デカールを貼ってトップコート。なんとなしにGSIクオレスの『75%つや消しトップコート』を吹いてみたらこのキットにジャストすぎた。あまりにこのコーチマSplが良かったからラウンドフェイサーのバージョン違いで並べたくなり、『強化型ザック装着タイプ』を買ってきてしまったほど。「強そうな量産機萌え(燃え)」が捗ってたいへん良い。ノーマルのも並べたいぞ。

「ラウンドフェイサーは個人的ベスト大河原邦男メカなのでは?」と感じながらプラモした今回。’80年代に「ロボットをリアルに!」という熱狂と運動があったなか「軍用ヘリのルックを頭にしちゃう」という発想、人が乗っていることが見て取れるリアリティ、直線と曲線のコントラスト、デカ目の頭と手、などなど。大河原成分が濃厚なキットだった。そう思えたのも、メーカーがそのデザインをしっかりプラモに落とし込んでいたからだろう…… 傑作キット! なのでぜひー!。