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プラモ製作のお供に、オーディオブックの「Audible」が欠かせなくなった話。

 音楽をヘッドフォンで聴きながらプラモを作るのが好きだ。単調な作業でも、70年代のダンクラを爆音で耳に流し込めば退屈なんて無かった。しかし、そうやって自分の世界にいると、家族からのちょっとした呼びかけに気づきにくいのがよくない。子供が産まれてからというもの、音楽を聴きながらの作業はやめてしまった。どうしても全楽器のニュアンスまで堪能したくなる。小さな音で曲を聴けない病なのだ。そこでどうしたものかなと思っていろいろ模索していたところ、作業のお供に好感触だったのが、AmazonのAudibleだ。これが今のプラモデル製作環境と相性がいい。

 Audibleは、プロのナレーターや声優が本を朗読してくれる、オーディオブック配信サービス。現在はサブスク方式で、小説からビジネス書、古典まで幅広く聴き放題になっている。使ってみると、スマホから小さく流しているだけでも意外と内容が頭に入ってくる。壁越しや下階からの家族の呼びかけにも気づきやすくなった。

 個人的には、今まで手を付けていなかったSF作品が数多くラインナップされていて嬉しかった。『戦闘妖精雪風』や『銀河英雄伝説』など、プラモデル化(厳密にはアニメ版だが)されている作品のキットを組みながら原作を聴くという楽しみ方もできる。「たくさんある!」という感じではないが、有名どころの古典SFもあるし、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、『三体』など、最近のSFもある。また、驚くのが朗読の巧さで、登場人物ごとの演じ分けも表現力も、圧倒されるレベルの作品が多い。特に銀河英雄伝説の朗読者、下山吉光氏の演技力は、血気迫る場面で本当に鳥肌が立った。

 再生速度の調整も細かく利いて便利だ。通常速度はゆっくりめなので、1.2~1.4倍速あたりがちょうどいい。理解しやすく、テンポよく物語が進んでいく。

 朗読は、小説の楽しみをいくらかスポイルしてしまう部分もあれば、話者の声質が合わないと楽しめないものもあるだろう。人を選ぶサービスではある。しかし、少なくとも私はオーディブル無しの製作には戻れなくなってしまった。ちょっと苦手なチマチマしたデカール作業が、零とブッカー少佐のやり取りを聴いているだけでいつの間にか終わっていたのだから。ニッパーや接着剤と同じくらいと言ったら大袈裟だけれど、今や欠かせない道具のひとつだ。

著:田中 芳樹, ナレーション:下山 吉光, 出版社:(株)アールアールジェイ
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ハイパーアジアのプロフィール

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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