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【レビュー】縦横無尽に広がる「けもプラ」の世界を楽しむために、知っておきたいいくつかのこと!

 けもプラという概念が発生し、ケモノが好きな人はもちろん、そうでない人にとってもケモノ文化を知る機会が訪れたという話を書きましたが実際にプラモデルとしてのスペックとポテンシャルはいかほどなのかという話まで到達していなかったので、深堀りしていきましょう。まずけもプラってなんなの? という人は以下のリンクを読んでください。

 まず可動人型(人型!?)プラモデルとしての構成ですが、基本的には挟み込み式の関節ないしボール状の関節から棒が出たタイプのもので身体の節々を接続していく設計になっています。二の腕や太ももにロール軸があって、ここをバラして組み替えることでケモ度を変更したり他の美少女プラモデルとのミキシングビルド(混ぜて組んで違う形態を作り出すこと)も楽しめます!

 これ以上の簡略化はまず無理だろう……というところまでシンプルな構成になっているので、組み立て自体はかなりスムーズです。少々ハメ合わせがキツすぎ/ユルすぎなところも見受けられますが、こうした問題には各社からソリューションが提供されているので気になる人は対処可能な範囲だと思います。
 そして高ケモのフェイスパーツは双眸が貫通穴になっていて、背面から印刷済みの眼球を嵌め込む仕様です。より立体感のある目の表現ができること、眼球を裏から動かすことで視線を変更できることから、ここ最近では美少女プラモシーンにおいてトレンドになっているギミックです。

 ケモノフェイス風の軍配みたいなパーツは何なんだ……と思っていたらこれは視線変更用の治具なんですね。先端が尖っていないプラスドライバーのような形状になっていて、眼球パーツの裏に刻まれた凹みと噛み合うことで視線をグリグリ動かせるという仕組みです。眼球を嵌め込むときも結構チカラが必要なのと、初期状態の向きを正しくセットするのが難しいので、この軍配状の治具にセットしてからギュッと押し込むのがオススメです。

 また驚いたのが肉球パーツの質感です。身体のパーツはABS樹脂特有の光沢があるのですが、肉球のパーツだけはツヤ消しになっていて「素材が違うのか!?」と一瞬驚くのですが、ランナー(枠部分)をニッパーで切ってみたら体表と同じ色の樹脂がコンニチハ。つまり柔らかい印象を演出するためにつや消しの塗料でわざわざ塗装されているのです。もちろん色を変えて成形するコストとのせめぎ合いもあるのでしょうが、塗装することで色と質感の両方に気を配れるというコダワリと捉えるのがオトナなのです。

 私がけもプラ最大の特徴だなと思っているのが太もものロール軸上部の大きく抉れた部分。骨盤と筋肉の関係を大きく誇張した形状で、これ人間のフィギュアでやるとかなり不自然……というか非実在的な感じになってしまうと思うんですが、動物ですと言われると「確かにそう」と思えるかなり攻めたジャッジに見えます。股関節は上下に動くギミックが入っていて、太ももを大きく振り上げる動き(たとえば四つん這いのポーズなど)でものすごい効果を発揮します。これは実際に組んで動かして「なるほど!」と納得してほしい超重要ポイントです。

 さらにけもプラシリーズには「ヒトパーツセット」という髪の毛以外全部人間の肌色素体もラインナップされています。こちらもケモノと同じ基本構成となっているため、ケモ度をさらに下げるミキシングを可能にしています。頭部だけケモノだけど首から下は完全にヒト、みたいな組み合わせはもちろん、なんなら耳以外全部人間(ケモミミそのものはケモノ趣味とは切り離されて語られることが多いので取扱注意!)というのも可能です。

 ドールカルチャーから渡来し、完成品フィギュアやプラモデルの世界にもそのプレゼンスを高めつつある布製の衣装も公式サイトで販売されています。布服はアオシマのVFGシリーズでも採用実績がありますが、ドールメーカーのアゾンインターナショナルが手掛けるけもプラ用の衣装はケモ度と別軸でプレイバリューを高めてくれる要素と言えるでしょう。
 自己責任と創意工夫の領域ではありますが、軸の直径と身体のユニットの分割位置さえ合えば既存の他社製美少女プラモとのミキシングも可能。あのキャラこのキャラにケモ要素を足してみるのもよし、けもプラにお好みの装備をまとわせてマイキャラクターをエディットするもよし。

 プラモデルの世界にケモノというカルチャーを持ち込み、それ自体を軸に世界を拡張したり、既存世界をケモノ化したり、そのユニークさと拡張性の両方を場内場外で発揮する驚異のシリーズ。触ってみなければわからない魅力と、遊んでみて気づく練り込まれた設計思想、そしてここからの広がりを感じさせるオプションの数々をぜひ楽しんでください!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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