
アオシマの楽プラ スナップキットシリーズに「日野 デュトロ 平ボデー」が加わりました。製品化発表自体は2月発売予定の「日野 デュトロ パッカー車」のほうがずっと先だったのですが、まずはキャブ(シャーシはどうかな……)が共通のいわゆる「ヒノノニトン」が先に発売された、という経緯。

ブルー、シルバー、ターコイズ、ホワイトの4色が同時展開され、私がピックアップしたのはターコイズ。ホンダ DC2インテグラ タイプRのサンライトイエローもプラスチックの色が素敵すぎてめちゃくちゃに感動したのですが、このターコイズもプラスチックの色が神です。僅かに透け感はあるものの、しかし塗り肌でこれを再現するのはかなり難しいツヤ、そして絶妙な色味!ワイパーがキャブと一体成型なのも非常にいい感じです。

本シリーズは乗用車のシャーシ裏をツルツルの平面にしてコストダウンを図っていますが、トラックの腰高なシャーシは側面から丸見えなのでトランスミッションやデフ、サスペンションが簡易的に彫刻されています。このへんは発売済みのスバル サンバー トラックと同じ思想です。やっぱりちょっとでも立体感があるとシャーシは盛り上がります。

ダッシュボードとドア内張りを折りたたむことで内装を再現する楽プラシリーズ共通の仕様はデュトロでも健在。シートベルトやスピーカーなどの細かな彫刻までワンパーツでしっかりと楽しめるのが素敵だと思います。このへんはサンバーよりも気合いの入った設計になっていて、組み味をなるべく一定にしながら少しずつ表現力を増している楽プラシリーズの歩みを感じさせてくれます。

荷台はアオリが固定のバスタブ状態でワンパーツ成形。この内側にゴムマットとおぼしき黒いステッカー(ひとつひとつが巨大)を貼るのですが、この工程がめちゃくちゃ難しい。金型の都合上なんのアタリもないところに水平垂直を気にしながら周囲に一定の隙間を空けつつ長方形のシールを貼る……というのはかなりスパルタな気がします。いっそ貼らないというのも手ですし、荷台にいろいろ乗っけて見えなくしてしまうのもアリでしょう。問題は1/32スケールの積み荷がなかなか思いつかないこと……。

とは言えチマチマしたシールを貼っていくと各所のリアリティが増してとても面白い。黒いシールがゴムの代わりになったり穴を表現する記号になったりと七面六臂の活躍をするのも楽プラならではの愉快なポイントです。アオリの蝶番やロックなどはワンパーツながら非常に立体的で、塗装やスミ入れ、サビなどの汚しを加えるとさらに実感を増してくれるでしょう。くれるでしょう……みたいな書き方をすると非常に他人ごとみたいなので、もう一個作るときはそうすることを誓ったのでした。

リアのダブルタイヤは楽プラ史上初の表現。スペアタイヤのトレッド面がツルツルなのでちょっと味気ないけど、このへんは右向きで飾ればシルバーで塗装されたマフラー(っつうかDPR)のカバーが見えてリッチだぜ……という気持ちとトレードオフでしょう。なによりトラックのプラモデルがこんなに簡単に組み上がることがまずはいちばん楽しいことですからね……。

組み上がってみると立派なヒノノニトンが姿を現します。黒いステッカーを貼ったワイパーは厚みが目立つのでここだけ筆で塗ると雰囲気が出るはず。じつのところアオシマのトラック模型は1/32が標準スケールだったりするので、このデュトロはカスタムベースとしてもかなりいろんな可能性を秘めていると言えましょう。

楽プラにおけるデュトロはこの平ボデーを嚆矢とし、パッカー車(いわゆるゴミ収集車)、小型消防ポンプ車(ダブルキャブ!)といった兄弟が控えています。子どもたちに絶大な人気を誇りつつももプラモデルの世界ではなかなか立体化のチャンスがない「現代のはたらくくるま」をじゃんじゃんプラモデルにしてくれるアオシマにエールを送りつつ、みんなもその独特な組み味を楽しんでください。そんじゃまた!