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プラモデルのランナーが好きだから、収納だって「好きなカタチ」にしたい話。

 すごい出来栄えの完成品もいいけれど、組む前のプラモデルは無限の可能性を秘めている。だから組み立てる前の「ランナーにパーツがくっついた状態」はとてもワクワクする(もっと言えば、プラモデルのことを知らない人も、これから何かが起こりそう!という予感にウキウキするはずだ……)とオレは思います。

 だからって、壁掛け収納をプラモデルのランナーのカタチにしちゃうっていうのはかなりの思い切り。プラモデルの金型って高いんでしょう?ましてこの大きさでこの質感で……本当にやってしまうんですね!というプロダクトがやってきました。KLAMP STUDIOの「プラモデル型壁掛け収納」です。思い切りが良すぎるので、クラウドファンディングで応援しましょう。nippperは先行して3種類のサンプルを頂いたので、これを全力で応援するものであります。

Makuake アートな収納で趣味が輝く!フィギュア原型師が考えた”プラモデル型”壁掛け収納!

 KLAMP STUDIOはおもにキャラクターフィギュアの原型制作を手掛ける原型師集団。「自分たちの仕事道具を収納するためのナイスな壁掛け収納を開発したい!」という気持ちから、ただ便利なだけでなく、見ていて楽しく気分の上がるスタイルと質感を追求しているうちにこのランナースタイルでの立体化に漕ぎ着けたのだとか。それにしても見切り発車で金型を彫っちゃうの、シビれますね!心意気ってやつです。

 世にプラモデルっぽさを流用した広告やプロダクトはたくさんあれど、「プラモデルのもつキッチュさ」だけを借りることが目的であることが少なくありません。しかしKLAMP STUDIOの面々は普段からプラモデルに親しみ、原型を手掛け、金型や樹脂の成形品の特性をよく知っていますから「プラモデル状の何か」と言うよりも極めて”わかり”の強いプロダクトになっています。例えばパッケージも上下にパカッと開き、印刷も上質で頑丈な貼り箱仕様をあえてチョイス。プラモデル好きがいちばん盛り上がるポイントをズバッと突いてきます(このタイプのハコ、すごくコストがかかるんだぜ……)。

 形状は3種類。縦長のものを入れてもよし、フックに小物をかけてよし、工具だけじゃなくて観葉植物でもいいし、台所用品を冷蔵庫の横にまとめるもよし、お出かけのときに使うものを玄関にまとめておくでもよし。グレーのプラスチックは上品なつや消しで、どんなところにディスプレイしても合います。いわゆる「見せる収納」ってやつですね。

 プラモデルの金型にちょっと詳しい人なら「このカタチだと金型から抜けなくない?」と思うはずですが、ひとつひとつの収納部分は裏から別パーツを接着して箱状にしています。さらにランナー部分が通常のプラモデルよりずいぶん太いので、そのままムクで成形するとプラスチックが冷え固まるときに収縮して表面がヒケて(凹んで)しまいますが、これは裏面にわざわざミゾを切ることで体積変化を少なくして表面の美観をキープするというとんでもない手間がかかっています。これ、ジョークグッズじゃなくて「プラモデルのランナーの美しさをそのまま大きな収納にしたい」っていうホンキの造形と製法なんですよ。

 壁掛け収納で悩ましいのが壁への固定法。こちらは四隅にある丸穴を通してハイパーピンという石膏ボード用の画鋲を突き刺せばでピタッと止まります。抜いた跡は画鋲くらいの穴なので殆ど目立たず、補修も簡単。賃貸物件でも臆せず使えます(実際私はぶっ刺しました)。ハイパーピンの頭は別注の樹脂パーツとし、本体と成型色が揃えてあるという至れり尽くせりのデザイン!偉すぎる。

 それでも壁に穴を開けたくない……という人は、「スチールのパネルにマグネット付きフック」とか、「有孔ボードにフック」といった運用もOK。自分の空間に合わせてカスタマイズするっしょ?というのはモデラー的な発想だし、このカタチだからこそ広がる可能性です。材質はABSなので塗装とかスジ彫りとかデカールとかステッカーでカスタマイズするのも楽しいし、表面にABS用接着剤でディテールパーツを貼るのもおもしろい。

 もっともっとホビーの楽しみと接続したいという場合は、こんなふうにフィギュアと一緒に飾るのもかわいい。最近のアクションフィギュアはオプションパーツがいっぱいあるからこれをレイアウトして自分だけの「フィギュアの秘密基地」にしてもいいんすよね。

 サイズはほぼA3で、一般的なプラモデルのランナーよりもずいぶん大きめ。工具やプラモデルといっしょに撮影する「大道具」としてもこの活躍っぷりですから、3種類持っておいて想像力豊かに遊べます。 

 プラモデルが好きだから、収納だってプラモデルのワクワクとともにありたい。そんなアナタのための実用的でカッコいい壁掛け収納。質感だけじゃなく、見えないところまでこだわって「プラモデルらしさ」を真面目に追求した……というのはありそうでなかった製品と言えます。毎日工具と向き合い、良い製品を作っている原型師集団によるホンキの遊び心。みなさんもこの壁掛け収納でぜひ味わってください。いつもより片付けが楽しく、快適な作業空間が手に入るはずです!

Makuake アートな収納で趣味が輝く!フィギュア原型師が考えた”プラモデル型”壁掛け収納!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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