週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今月はもっちりとした鋳造ボディにかっこいい足回りで、フランスのエスプリを堪能できる戦車模型「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア フランス中戦車 ソミュア S35」をお届けします。タミヤの戦車模型シリーズにラインナップされているフランス戦車はどれも傑作ばかり!! その中でもこのソミュア S35は超おすすめ。ボリューム感の手の中でちょうど収まる感じで、すごく気持ち良いのです。
第二次世界大戦の序盤で、フランスはドイツに降伏してしまうので、フランスの第二次世界大戦の戦車って存在感がちょっぴり薄いです。でも、なんともファンタジーな、スタジオジブリ味のあるかっこかわいい車両がいるんですよ。ソミュア S35は大戦初期のフランス最強戦車とも言われ、鹵獲したドイツ軍からも高い評価を得ていました。
キットの最大の特徴は、全体にびっしりと繊細に刻まれた鋳造表現。タミヤの鋳造表現のかっこよさを知りたければこのキットを作ってみて!! と言えるほどオススメです。完成するとほぼ見えない部分にも「実車はこうなっているのよ〜」とバシバシに加工が施されています。
さらに、かっこいいフランス戦車兵が1体付属します。このアニキ、ポーズがユニークで、ハッチに足を伸ばした状態でお座りします。砲塔後部にあるハッチが開いて、箱乗りするように乗るので、このようなポーズになっているんですね。ドイツ軍の戦車兵のように、砲塔上部のハッチからニョキッと顔を出す感じではありません。そのため、アニキを乗せると、なんとも躍動感が出るんですよ! かっこいいぜ〜〜。
このアニキについてもう少々。特徴的なポーズをしているということは、戦車とのフィッティングがより難しくなるということ。特に箱乗り感あるポーズですから、よたっとしていたら「あの戦車兵新米か?」とオーディエンスから冷たい視線を浴びることになってしまいます。そんなアニキかわいそう! でも大丈夫。安心してください。「空いてます」。
そしてこの戦車の個人的に大好きなデザインが足回りです。当時のフランス戦車は足回りを覆う防御装甲が取り付けられていました。この部分が車体や砲塔の部分とはちょっと異質な感じで、よりメカな雰囲気が強いのです。なんだか丸くて可愛い上半分と、メカな下半分というバランスがこの戦車のかっこよさだな〜と、かってに思っています。
最後に……このキットは履帯が特徴的。昨今のタミヤの戦車模型は、プラ製の履帯をまとまった状態で成型したものを接着していく「部分分割履帯」ですが、こちらは1枚1枚バラバラの状態で入っています。
その後はこの可動履帯の方式は見られなくなりましたが、パーツの精度も良いので、そこまで苦労することは無いです。もし外れやすくなったら、別に接着してしまえば何の問題もないので、そこは臨機応変に対応していきましょう。成型色も履帯がグレーなので、取り付けると色数が増えてそれだけでカッコよくなります。
金曜の夜は足回り、土曜は砲塔や車体なんて感じで作り分けると気持ちよく楽しめると思います。ドイツやイギリス、アメリカの戦車にはない丸みとメカニカルな要素がギュギュッと詰まった、とってもかっこいい「ソミュア S35」。ぜひタミヤのプラモで、そのかっこよさを堪能してください。そろそろ暑くなってきたので、シャンパンか白ワインでソミュアをお迎えしたいですね。それでは〜〜。