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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。最高の靴を履いたフランス戦車のかっこよさをタミヤのプラモで堪能する!「ソミュア S35」

▲フランス戦車のおしゃれな足元を堪能しちゃおうぜ!

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今月はもっちりとした鋳造ボディにかっこいい足回りで、フランスのエスプリを堪能できる戦車模型「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア フランス中戦車 ソミュア S35」をお届けします。タミヤの戦車模型シリーズにラインナップされているフランス戦車はどれも傑作ばかり!! その中でもこのソミュア S35は超おすすめ。ボリューム感の手の中でちょうど収まる感じで、すごく気持ち良いのです。

▲ボディの表面をじっくりみてください。もっちり感ある美しい鋳造表現。たまりません

 第二次世界大戦の序盤で、フランスはドイツに降伏してしまうので、フランスの第二次世界大戦の戦車って存在感がちょっぴり薄いです。でも、なんともファンタジーな、スタジオジブリ味のあるかっこかわいい車両がいるんですよ。ソミュア S35は大戦初期のフランス最強戦車とも言われ、鹵獲したドイツ軍からも高い評価を得ていました。

 キットの最大の特徴は、全体にびっしりと繊細に刻まれた鋳造表現。タミヤの鋳造表現のかっこよさを知りたければこのキットを作ってみて!! と言えるほどオススメです。完成するとほぼ見えない部分にも「実車はこうなっているのよ〜」とバシバシに加工が施されています。

▲シャーシの裏にも鋳造表現!! 見えないところもすごくて、作った人だけがわかるお楽しみディテールが盛りだくさん

 さらに、かっこいいフランス戦車兵が1体付属します。このアニキ、ポーズがユニークで、ハッチに足を伸ばした状態でお座りします。砲塔後部にあるハッチが開いて、箱乗りするように乗るので、このようなポーズになっているんですね。ドイツ軍の戦車兵のように、砲塔上部のハッチからニョキッと顔を出す感じではありません。そのため、アニキを乗せると、なんとも躍動感が出るんですよ! かっこいいぜ〜〜。

▲お座りアニキのお座りジワ。クールすぎるのよ
▲肉かな? 撥水性の布を丸めた側面です。このようなシワもデータによる造形で、超緻密に作られています。このような布が鉄の塊の戦車に乗ると、そこに柔らかさが生まれ、ちょうど良いアクセントになるんですね。最高のアクセサリー

 このアニキについてもう少々。特徴的なポーズをしているということは、戦車とのフィッティングがより難しくなるということ。特に箱乗り感あるポーズですから、よたっとしていたら「あの戦車兵新米か?」とオーディエンスから冷たい視線を浴びることになってしまいます。そんなアニキかわいそう! でも大丈夫。安心してください。「空いてます」。

▲砲塔のボッコリがスッポリ!! アニキの左腕下には、砲塔のディテールがすっぽりとはまる空間が用意されています。まずはここで砲塔とがっちり体がフィットします
▲そして右手!! お座りハッチとエンジェルタッチ。ハッチの縁にピタリと右手が合わさります。これでクールな搭乗姿勢になるんですね

 そしてこの戦車の個人的に大好きなデザインが足回りです。当時のフランス戦車は足回りを覆う防御装甲が取り付けられていました。この部分が車体や砲塔の部分とはちょっと異質な感じで、よりメカな雰囲気が強いのです。なんだか丸くて可愛い上半分と、メカな下半分というバランスがこの戦車のかっこよさだな〜と、かってに思っています。

▲2輪をペアにして、さらに2組を水平リーフスプリングに取り付けます。最後部の転輪だけ独立して懸架されます
▲左右それぞれセット。メカニカルなお素足でございますが……
▲装甲板で隠れます。この装甲板のパーツが個人的にはこのキットで一番かっこいいパーツだと思っています。まるで上質なフランス靴を履くように、ソミュアの足周りをカバー。素足は作った人だけとの秘密だよ

 最後に……このキットは履帯が特徴的。昨今のタミヤの戦車模型は、プラ製の履帯をまとまった状態で成型したものを接着していく「部分分割履帯」ですが、こちらは1枚1枚バラバラの状態で入っています。

▲スナップフィット&ゲートレスですでにバラバラになっている履帯!! 袋からジャラジャラと出して、繋げていきます。またチェーンは金属製のものが付属するこだわり仕様
▲めっちゃ小さいピンと穴でパチンとはまります。片側102個も作ります。こだわりMAX
▲1枚1枚の履帯が可動するので、かってに自然なカーブを描きます

 その後はこの可動履帯の方式は見られなくなりましたが、パーツの精度も良いので、そこまで苦労することは無いです。もし外れやすくなったら、別に接着してしまえば何の問題もないので、そこは臨機応変に対応していきましょう。成型色も履帯がグレーなので、取り付けると色数が増えてそれだけでカッコよくなります。

 金曜の夜は足回り、土曜は砲塔や車体なんて感じで作り分けると気持ちよく楽しめると思います。ドイツやイギリス、アメリカの戦車にはない丸みとメカニカルな要素がギュギュッと詰まった、とってもかっこいい「ソミュア S35」。ぜひタミヤのプラモで、そのかっこよさを堪能してください。そろそろ暑くなってきたので、シャンパンか白ワインでソミュアをお迎えしたいですね。それでは〜〜。

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フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。

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