「お父さん、なんか違うよ。土の色にしたいよ!」。この一言が、息子に筆を取らせ、息子は初めてプラモを全塗装した。俺にとって最高の記念日がやってきた。
BANDAI SPIRITSのプラノサウルスシリーズは、骨格と肉がついた姿の2種を楽しめるプラモだ。初めに骨を作り、そこに外皮となる肉パーツを被せていく。うちの息子は骨こそが恐竜であり、化石が一番かっこいいと思っている。だから、プラノサウルスの骨が組み上がった時に「なんか違くね??」が発動した。そしてそのギャップを埋めてやるぜとばかりに、俺に「土の色(化石の色のこと)にする方法は無いの?」と聞いてきた。そんな嬉しい言葉を聞いた俺、「秒で化石にできるぞ、やってみな」と塗料と筆を渡したのだった。
白い成型色にぴったりの塗料。それがシタデルコントラストだ。シャバシャバの塗料を筆に含ませて、さっとプラモに塗るだけで、模型が染まる。奥まった部分に塗料が溜まり、出っ張ったところは塗料が流れてしまうのでうっすら染まる。そのことにより、計算では出ないようなグラデーションが目の前に生まれるのだ。
この塗料には、塗れば「骨」、しかも経年変化したような色の骨を表現できる「スケルトン・ホード」という色がある。これをそのまま塗るだけで良いのだ!! さぁ、楽しんでこい!! 子供の思い切りの良さとシタデルコントラストの特徴は、最高に相性が良いはずだ。
無言。完全にプラノサウルスと息子の一騎討ちがスタート。染まりきっていない場所を探しては、筆でべしべし塗っていく。見ているこっちも筆塗りをやりたくなるほど楽しそうだ。
塗り上がったティラノサウルスの骨は、超かっこよかった。息子も「この色が好きだよ!! やったー!!」と喜んでいた。自分で組んだ骨格ティラノサウルスを、自分の手で化石状態にまで塗ってしまった。もう、最高じゃないか。自分がこう作りたい、こう塗りたいというどストレートなパワーを受け取れた、俺にとっても最高の1日となったのだった。おしまい。