「小さければ小さいほど高いものってなーんだ?」
おいおい娘氏、大人をなめてはいけないよ、まさか手術痕ではあるまい、大気圧かもしれないな、いやまてわかった、コノシロだろう。コノシロはコハダ、シンコと小さくなるほど高級魚に「正解は空を飛んでる飛行機でしたー」なるほどー。
さて、プラモの価値は大きさにあるのでしょうか。小さいプラモ代表で、キャビコさんのチョイプラ スコープドッグ レッドショルダーカスタムを楽しんでいきたいと思います。
チョイプラシリーズはまずパッケージングがいいですね。プラモはランナーがかっこいい。ランナーがみちっとピッタリ箱に詰まっているのを見せる透明なパッケージはそのままでもかっこいい。しかも大きさが手頃で飾りやすい。「このまま飾って完!」でもいいほどなのですけど、ここは組み立てて行きましょう。
以前発売されたスコープドッグに武器のランナーが3枚ついているバリエーションキットです。武器モリモリは嬉しいですよね。やっぱり武器モリモリで出撃して弾がなくなるたびに武器を捨てて最終的にボロボロの姿で帰ってきたいじゃないですか。あるいはなんも持ってない立ち姿の前に武器をずらっと並べたいじゃないですか。妄想で遊ぶにも飾るにも武器がどれだけ付いていても多すぎるってことはないですからね。両手で持ちきれないほど付いているの大正解だと思います。
本体もポリキャップレスでサクサク組めてしまいます。肩のフックはちょっと注意した方がいいかもしれません。もし折れても負荷がかかるとこじゃないので気にせず接着剤1滴で修復できますよと経験者は語ります。「ここは危ういパーツ構成にしてでも別パーツでしっかり表現したい」というメーカーの声が聞こえてきますね。
完成。どうですか、このデザイン。スコープドッグをデフォルメしようとするとついつい足は力強くしてしまいがちだと思うんですが、この細い足。武器を持たせたときの可愛らしさはきっと計算されつくしたものなのでしょう。
価値というものを価格比で大きさ、パーツ数として語るなら、「このちっさいスコープドッグとバンダイのHGシリーズやタミヤの1/48MMがだいたい同価格ってのはどうなんだろうな」という考えに至ることもあるかもしれません。ただ趣味としてのプラモの価値とはそう単純なものでもないはずです。その価格で与えてくれる楽しみの量こそをコストパフォーマンスとして語っていきたい。パッケージの小ささを見たときの驚き、大きさの制約を生かすデザイン、ギリギリまで切り詰めたパーツ分割、そういうものを見たときにこのスコープドッグは決してほかのプラモに劣らないはずです。
両手に余るプラモを作ることも楽しければ、手のひらに収まってしまうプラモを老眼と戦いながら組むのもまた違った楽しみがあります。当然、程よい大きさのプラモを作る楽しみもまた同様に。「大きくなれば大きくなるほど小さくなるものなーんだ」ふふふ、娘氏、わかるかい?大きいからとか小さいからとかではないんだよ。どれにだってそれが持つ唯一の良さがある「正解は洋服でしたー」なるほどー。
16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。