
ハセガワから昨年末に1/2500の宇宙海賊戦艦 アルカディアが発売されました。『劇場版 銀河鉄道999』に登場したデザインのアルカディアとしては同社からすでに1/1500スケール(336.5mm)のプラモデルが既発となっていますが、こちらは1/2500スケールにを採用したことで全長226.5mmというお手頃なサイズにまとまっております。あ、値段もお手頃……。




パーツ構成としてはパーツカラーはグリーン・ブラウン・ホワイト・ブラックの4色成形で接着剤不要……という仕様なのですが、とにかくパーツが薄い&細い!この繊細さは「ハセガワらしいな」と感じる部分でもありますが、スナップフィット(押し込むだけでパーツが固定されるはめ込み方式)がどこもかなり固めになっているのでグイグイ力をかけると折れたり曲げたり白くなったりします。しかも完成に近づくにつれてトゲトゲしたパーツが四方八方に飛び出た形状になっていくため、持つところがどんどん限られていきます。
そこで、nippper的には「まずディスプレイスタンドを作ってそこに乗せた状態で組み立てる」「差し込む穴にちょっとだけ流し込みタイプの接着剤を塗る」という方法をオススメします。せっかくのスナップフィットモデルですが、力を入れずにパーツの根本までしっかりとはめ込む/差し込んだパーツがなにかの拍子に外れたりしないようにする、という意味ではかなり有効です。(あと、艦橋前方にあるパルサーカノンを固定するためのG4パーツが説明書に記載されていない気がするのでこれを取り付け忘れないようご注意を!)


合わせ目は極力目立たないよう設計されているので「きれいに塗装しながら組む」でもよし、「組んだ後に筆で味付けをしていく」でもよし。ただ、先に塗装する場合は塗料の厚みでパーツのハメ合わせがさらにキツくなりそうです。せっかくのお手頃サイズなモデル(かつおおまかな色分けはプラスチック状態で完了している)ですから、サクッとカタチにしてからどうやって遊ぼうか考えるとゴールの設定がしやすそうだな、と感じました。

各部のレリーフや細かな窓、黄色い発光部などはひたすら小さなデカールで再現されていますが、とにかく細かくてミスると厳しい箇所が多数!このへんはハセガワユーザーの中でもかなり手慣れた人に向けた配慮かな、と感じますので、「入っているものは全部貼らなきゃ!」ではなく、貼れそうなものは貼ってみる、塗れそうなところは筆でチョイ塗り、自分のスキルではキツそうだなと思ったところは「いっそ見なかったことにする」というのも大事です。箱に入っているものをすべて使いたくなるのはプラモ趣味あるあるですが、あえての取捨選択ができるようになると思ったように作れなかった……(失敗の記憶)が減るので心の健康に良いですZO!

正直に言うと、「サクッと成型色のまま接着剤を使わずに組み立ててデカールでフィニッシュ」というのを真に受けるとちょっと難度の高いプラモだという印象を受けましたが、組み立てに接着剤を併用する(プラスチックが少しだけ溶けて柔らかくなり、パーツ同士がスッと組み合わせられるようになります)、デカールの代わりに筆で部分塗装をするといった方法をスキルに応じて投入してみましょう。
もちろんSNSなんかを眺めていると「全塗装でうまーく作った完成品」を目にすることもあるかもしれませんが、これはあなたのプラモデル!ハーロックの「本当に自由になりたいなら、まずは自分の前に立ちはだかるものと戦え」という言葉を思い出しながら、ひとつひとつ自分のやりたいこと、チャレンジしたいことを見極めてひとつひとつトライしていけば、必ずかっこいいアルカディア号が手に入るはずです。みなさんも、ぜひ!
