プラモデルで知る海外のSNS事情。カカオトーク、やってます?

 じつはLINEより先にサービスインしていた韓国のコミュニケーションアプリ、カカオトーク。韓国ではシェア9割くらいあるらしいのですが、肌感覚だと日本の友達で使ってる人のほとんどが「K-POP好き」「韓国駐在経験あり」みたいなイメージです。

 で、先日バンダイスピリッツからひっそりと発売されたのが「カカオフレンズ」のプラモデルたち。要はカカオトークのスタンプなどで登場するカカオの公式キャラクターが立体になったぞ!というものですね。カカオトーク1mmも知らないけど、カタチが可愛いのでつまんでみました。

 言うてみれば手のひらサイズのマスコットプラモで、パッケージのサイズはソメイティ&ミライトワとかエントリーグレードのドラえもんとかに近いっす。びっくりしたのは「カカオフレンズってなんやねん」とか「カカオフレンズの○○を再現!」とか「可動しまくる!」みたいなウリ文句がハコにほとんど書かれていないこと。「知ってる人がグッズとして買う(はず!)」という自信の現れなのかもしれません。まあ他のプラモと較べて云々っていうモチーフじゃないもんな……。

 最近のバンダイスピリッツはこういうマスコット的プラモの設計のツボみたいなのを完全に手中に収めたんだな〜と思わせる簡潔なパーツ構成。4色成形のランナーもPOPに感じます。

 いざ組み立ててみると、あらかじめ色分けされたパーツが重層的に組み合わさってポコポコポコ〜っとキャラクターのフォルムになっていきます。小さいパーツは案外ハメ合わせがトリッキーな構造になっていたりして、「うお、微妙に歯ごたえがあるw」という小さな達成感があったりして。

 「小癪な!」と思ったのが股関節の構造。左右のボールジョイントが独立して動く設計になっており、脚が胴体にギチっと入っているときは動かず、引き出すと軽く前後に曲げることができるという洒落た作りになっています。

 パーカーを着て完成のライアンなのですが、ハメ忘れると半裸状態になってすごい。というか君たちはいったいなんなんだ……という気持ちになってきます。そういうときはググるしかありません。

 ググったところ、カカオフレンズは全部で8キャラ存在し、それぞれに謎の生い立ちとコンプレックスがあるのだとか……。左のリトルアピーチは「遺伝子変異で雄雌同株になった事を知り、桃の木から脱出したイタズラっ子な桃(=アピーチ)」の幼少期……という不思議な設定の模様。イラストでは尻が強調されており、桃で尻で雌雄同株というめちゃくちゃな情報量です。

 ちなみに右のライアンはライオンなのにたてがみがないのがコンプレックス。カカオフレンズのなかでは最後発にも関わらずその頼れるねぎらいキャラで一番人気になったんだそうです。マジで知らないことがいっぱいなのだが、プラモを組むと脳のハードディスクの使っていない領域にこうした情報が書き込まれることもある。知らん戦闘機組んでWikipedia読んでたら朝!みたいな感じですね。そうか?

 台座はハロとくっつけることもできるので国籍を超えた友情が生まれた(もしくはライアンがすごいペットロボを開発した)というシチュエーションで飾ることもできます。

 プラモとして「うわー!ここが新しい!」とか「こんなところが異常に良く出来ている!」みたいな驚きを感じるというよりも、「何がプラモになっているのかちゃんと調べないとわからん!」みたいなことに結構新鮮な感覚があったので、もしかするとプラモ屋さんにはまだまだ沢山の「異文化への扉」が隠れているのかもしれません。ではまた。