怪奇!街角に実在する「模型屋の模型」。

 ▲都内某所、交差点のカドにそれは建っている。

 これは「模型屋の模型」である。「なんだよ、ドリフトで峠を攻める豆腐屋じゃないか……」と思ったかもしれない。しかし、これは誰がなんと言おうが、「模型屋の模型」なのである。

 店内は暗くて何も見えず、シャッターはほとんど閉まっているが、ショーウィンドウには普通にウマいプラモの完成品が展示されている。数年前まではシャッターがもう少し開いていてたくさんのユニークな(しかも異常にこだわったラインナップの)模型が見られたのだが、いまは一部しか見ることができない。

 そしてこの店(のようなもの)は、いまだかつて営業をしたことがない。完成したときから現在まで、ただそこに、模型屋のような顔をして、そっと建っているだけなのだ。

▲開業未定(「予定だった」と書かれているのも嘘か真か分からない)。2018年の暴風でモロモロが破損したので 現在は「豆腐店」に偽装しているのだ。
▲改装(?)寸前、2018年8月に撮影した同所。「藤原模型店」と明記されていたのである。

 模型店のような佇まいで、決して模型を売らず、そこにただ存在し、ショーウィンドーには誰が作ったのかもわからない模型が飾られている……。模型店のワクワクだけがそこにあり、道行く人を惑わせ、不思議な気持ちにさせる。

 人の気配は皆無だが、今日も日没と同時に看板の電気がひとりでに点灯し、ショーウィンドーがライトアップされる。店のドアがお客のために開かれたことはいまだ一度もなく、そしてこれからもないのだろう。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。