プラモに悩むあなたに読んで欲しい、プラモを歩き、見物するための一冊。

 モリナガ・ヨウ先生の『プラモ迷宮日記 第三集 [フラットレッドの巻]』を手に入れました。Twitterで情報を集めていたら、サイン本を入手できるとのことなのでその本屋さんまで足を伸ばして無事ゲット。ページを開くとサインだけでなく、イラストが。ラッキーです。

 このイラストを見たときに、同じキットを作ろう!とすぐに思いました。描いてあった戦車はブルムベア。耳にしたり目にしたりはしているものの、実際にこれがブルムベアだ!と認識したのはその日が初めて。この大勢の戦車から特定の車種がわかる感じは道端に生える木や、花の名前がわかるような感覚でとても楽しい。

 さて、肝心の内容ですがこれぞキットレビュー、あるいはキットレポートといった感じで先生のイラストによって描かれた戦車をはじめとしたキットたちが魅力的なのはもちろんですが、製作時に気づいたこと驚いたことあるいは自分がそのキットを楽しいと思ったところなどがたくさん散りばめてあります。当たり前といえば当たり前ですが、その短くまとめられた気づきたちが模型を作りたくさせます。

 イラスト自体も多くが成型色のまま、無塗装で組み上がった状態のものから書き起こされているので、なんていえばいいんですかね、簡単に真似ができるんですよね。同じキットを買ってきて、切って貼ってみようってすんなり思ってしまう。そうすればモリナガ先生が迷い込んだ迷宮に同じように足を運べるという感覚があって、そのワクワクのまま読み進めていけるのが楽しいです。

 そのワクワクが本当なのかな、イラストの素敵さからくるマジックなのかな、と思っていたら、フォードGPAのページで組み立て①のフロントデファレンシャルの取り付けの説明が、以前自分で組み立てたときに思った感想と全く同じだったので、これはどうやら本当のワクワクらしい……と思い直したりもしました。

 プラモの持つ魅力をほどよく賑やかに、そして読みやすくまとめている最高のプラモ本『モリナガ・ヨウのプラモ迷宮日記 第3集 [フラッドレッドの巻]』。
私のような駆け出しモデラーはもちろんですが、これから模型を始めようか悩んでいる、なんて方の背中をそっと押してくれるような、作り方とは違う歩き方のようなものを教えてくれる一冊です。

 描かれていたブルムベアは本を買ったその足で即購入。夏休みに作るプラモは初めての1/35スケールのドイツ戦車。数あるドイツ戦車模型の入り口は素敵な一冊の本が、その扉になっていました。

<a href="/author/crisci4mens/">クリスチ</a>
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。