
戦車模型の迷宮色。その代表選手がまさに「オリーブドラブ」です。ガンプラのホワイトやブルーのように、モデラーの数だけ自分の中のオリーブドラブがあると思います。僕もアメリカ戦車のような「Theオーリブドラブ」なモチーフを塗る時、決まった色ではなくこの車両にはどんなオリーブドラブが似合うかな〜なんて考えて塗っています。なんてったってプラモの箱絵からしてみんな同じオリーブドラブじゃありません!! 実物の車両には同じ塗料で塗装された正解があるのでしょうが、実際に博物館で再塗装されたものを何輌かみた中でも結構色が違ったり、経年変化で色味が変わっていたりとさまざまな「オリーブドラブ風味」なものが存在していていました。
このちょっとした曖昧さがあるからこそ、「実際の色はどうなんだろうか?」 と突き詰める楽しさや、「オリーブドラブ風味な色で僕の好きな色調で塗ってみよう」という自分の中のイメージにあるかっこよさを求めるといった塗装の楽しみが、1色なのに方向性が広がるんだと思います。


ベトナム戦争で活躍したM48パットン。タミヤの箱絵のパットンのかっこよさは激ヤバで、色もほとんど緑!!! 他のメーカーの箱絵などは茶色が強いオリーブドラブなどで描かれているものもありますが、自分の中ではこのパットンの色が刷り込まれてしまっています。この色で塗りたい!! でも塗装指示は普通のオリーブドラブじゃないか!! 絶対にこんな鮮やかになるはずがない!! こんな思考が巡り、オリーブドラブの迷宮の門が開くのです。

もっと緑っぽいオリーブドラブがあれば……塗料棚をみていると「オリーブグリーン」という塗料が。時に人は直感を頼ってみるものです。オリーブでグリーン……緑っぽいのか……いやそんな……GO!!!!! お買い上げです。



瓶生で塗っただけだと箱絵の鮮やかさにはまだ及びませんが、この色をベースに調色していけば僕の大好きな箱絵のパットンに近づきそうです。僕の中のパットンのオリーブドラブは「オリーブグリーン」だったんですね。

色を塗ってから知ったのですが、このオリーブグリーンはベトナム戦争で戦った米軍の航空機の迷彩色に使用される色みたいです。そりゃベトナム感が出るってもんです。オリーブドラブの迷宮に入ったら、違う知識をゲットすることができました。ラッキー!
自分の中のイメージを見つけに行ったり、資料写真を見てその色を追い求めに行ったりできるなど塗装はプラモの楽しみをさらに増幅させてくれます。塗料を使用することでその色が何に使われたものなのか、どんなモチーフに塗られていたのかなんてのを知ると、スケールモデルだけでなくキャラクターモデルを塗る時にもその経験と知識がフィードバックされたあなただけのかっこいい模型が塗り上がると思います。
