

Daft Punkが解散してしまった。そして手元には真田幸村の兜のプラモがあった。その状況が、前から自分の中でずっとくすぶっていた気持ちとがっちり握手した。
ジェッソを塗りたい。
ジェッソを塗るというのはどうしてあんなに楽しいんだろうか。白く、ツヤのない、きれいな面を筆でしっとりと作り上げていくあの作業。プラモにジェッソを塗ったことな人は結構損をしていると思う。どんなものも白亜の像に仕上がっていく。そこにテクニックや優劣はない。ただ、ジェッソが似合う模型とそうでない模型がある。それを見分けるのが一番の面白さだと思う。

「うそだろ……」と心のなかでつぶやきながら飾り糸を一つ一つ貼っていく。すべてはジェッソを塗るため。ああ、ジェッソを塗りたい。プラスチックの地にいきなりジェッソを塗ってもなかなか定着してくれない。あくまでジェッソは木やカンバスといった吸水性の素材に絵の具を定着させるための下地塗料だ。サーフェイサーを吹くと定着しやすくなる。下地塗料を塗るために下地塗料を塗る。なんたる倒錯……!

サラサラの木工用ボンドみたいな見た目のジェッソ。水で粘度をコントロールしながら真田を白く染めていく。せっかく貼った青い飾り糸も、赤備も白く染まっていく。金色との調和はもう約束されているんだ。はやる気持ちを押さえて、しっとりとなめらかな白い塗面を作る。

ゲット、ラッキー。ホワイト&ゴールドのヘッドホンと合わせて。ジェッソはいい。ジェッソを塗ろう。ランダムにアクセスするプラモデルのグルーヴに身を委ねながら。