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美少女プラモの始祖であるフレームアームズ・ガールの可愛さが凝縮された最高傑作!/「フレームアームズ・ガール 金剛」

 いまや「ガールズプラモデル」は、新たなプラモデルのジャンルとして確立され、売り場の棚をひとつ丸ごと埋めるほどの存在感を見せています。そのジャンルの先駆けとなったのがコトブキヤ。特に、今回紹介する「フレームアームズ・ガール(FAG)」は、コトブキヤのガールズプラモ展開の原点ともいえるシリーズです。

 FAGは、もともと同社のロボットプラモデル「フレームアームズ」を擬人化したもの。だからこそ、元のロボットにちなんだ武装や装備がデザインに盛り込まれており、元ネタを知っていると「なるほど!」とうなずける部分がたくさんあります。体格はまったく異なるので、ほとんどのパーツが新規設計。ここもまた見どころです。

 さて、今回組んだのは「金剛」。艦船に詳しい方なら、名前からピンと来るかもしれません。陸を象徴する「轟雷」、空の「スティレット」、そして海の「金剛」。まるでミリタリー三部作のような並びですね。ただ、金剛のデザインからは戦艦金剛というより、ひらがなの護衛艦「こんごう」っぽい雰囲気が漂っていて、スクリューの形や装備からもその印象が強く感じられます。

 近年のキャラクタープラモデルでは、塗装済みパーツの採用が進んでいますが、金剛もその一例。一体成型になっている部分は組み立てやすく、可動中もバラけにくいのが魅力です。また、表情パーツも複数付属。前髪が長めのデザインなので、表情の印象もかなり変わります。

 シリーズが続いてきたこともあって、内部構造はかなり洗練されています。胴体にはボールジョイントや軸接続がびっしり詰め込まれ、可動域も広く、ポージングも楽しい仕上がりに。一方で、肩構造はシンプルで、キャラクターのイラストと実際の構造をすり合わせる試行錯誤が感じられます。

 個人的に面白かったのは股関節まわりの工夫。通常、ロボットならフロントスカートが跳ね上がって太ももの動きを邪魔しないようになっているのですが、金剛ではパンツ部分が軸で可動して自然に逃がす構造に。パーツのラインがぴったり合っているので、動かしていても違和感がありません。

 脚まわりも工夫が光ります。太もも側のボール可動で内股ポーズが可能。ひざもふっくらした丸みのあるパーツで構成されているため、伸ばしたときのヒザ裏のラインが柔らかく自然で美しいです。

 とにかく、よく動くし見た目もかわいい。体のラインやシルエットも非常に良く、ガールズプラモの始祖シリーズとしての完成度の高さを改めて実感します。

 組み立て終わった時点で「いや〜、かわいいなあ」と思わずリラックスしてしまいますが……まだランナーにはパーツがいっぱい。そう、素体状態とパッケージアートのような装備状態は別物なんです。太ももから先や上腕から先など、まるごと差し替える部分も多いので、ここからが本番かもしれません。がんばっていきましょう。――つづく。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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