模型自身/プラモの世界は「ピンセット」があるだけで……

 模型を楽しんでいる人の分だけそれぞれの思いがある。そしてそれは僕にももちろんある。そんなことを話したい。僕の模型自身。

 ピンセットはスペシャリストだ。ピンセットが導く小さな作業が後に大きな成果となって目の前に現れる。机の上の大冒険を助けてくれるパートナーだ。馴染むピンセットを手にすると作業への勇気が湧く。「こいつとならあの模型を形にできる……」みたいにね。僕にとっては「タミヤ クラフトツール 精密ピンセット(ツル首タイプ)」がそんな相棒だ。

▲ENCAPというソールのクッション性は、ラルフ・ローレン氏が「雲の上を歩いているかのよう」と表現したという噂もあるくらい。1300CL(左)、990v5(右)にも採用。スーパー快適(どっちも歴戦)

工具がしっくりくる感覚。僕にとっては身につけて気持ちが良いとか、テンションが上がるというものに近い。ピンセットのバネ感と手に馴染む感覚が、お気に入りのスニーカーに足を通したときのような感覚に近い。ピンセットを使い込んでくると自分の癖を覚えたかのように義手化していく。履き込んだスニーカーも自分のものになっていく。ぼくにとって2つの存在はとっても近いんだ。

▲そのクッション性に魅せられて

 精密な作業は心がざわつく。だからこそ自分にとってのベストが欲しくなる。頼れるピンセットを握れるか握れないかでプラモの冒険へ向かう心境も変わる。

 旅をするとき、大事な仕事がある時。そんな時、ぼくはほとんどこの2足のどちらかだ。足元を固めてくれる。自分にあった靴は不安を取り払い、見たことのない世界へ行く勇気や仕事へのプレッシャーに一緒に立ち向かってくれる。

▲初のアメリカ。絶対にMade in U.S.A.モデルのニューバランスでいくぞと決めていた

 26cmのスニーカーが運んでくれる世界。見知らぬ土地では目線を落とすことも多いだろう。そんな時にふと目に入る足元の相棒。「いくぞ」と声が聞こえる。勇気ある一歩が、自分を大きく成長させてくれる。

▲あなたが、これまで経験したことのないような小さなパーツに出会っても、あなたに馴染むピンセットがあれば世界は広がる
▲ピンセットが紡ぎ出した世界

 ピンセットに励まされ摘んだ小さなパーツは、僕たちに新たな世界を見せてくれる。「こんな小さなパーツを摘んで接着できたんだ」という感動。その小さな感動こそ「模型の楽しさ」だと思う。ピンセットひとつで、今までできなかったことができるようになる。そんな感動を指先から体感できるプラモは本当に楽しい。僕は自分に馴染むピンセットを見つけたことで模型の世界が大きく広がった。あなたにとっての1本があれば、さらに世界も広がり模型がもっともっと楽しくなるはずだ。

■タミヤクラフトツール 精密ピンセット(ツル首タイプ)

 精密なパーツの多い艦船模型やエッチングパーツなどを使った工作に活躍する高精度なピンセット。先端は非常にシャープ。ツル首タイプの特徴は入り組んだ部分において、様々な方向から攻めることができること。全長約12cm、丈夫なステンレス製。タミヤマークと丁寧に磨き上げられた本体の仕上げが模型製作のテンションを上げてくれる。

 

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フミテシ

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。