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【レビュー】1色100円以下!/プラモデルのマーカー塗装革命、Arrtxの高性能ペンで常識を覆せ!

 すごいです。120色入りで12000円以下という衝撃プライスで手に入れたArrtx製アクリルマーカーがヤバいです。「プラモデルをマーカーで塗る」というのは色数やペン先の取り回しなど制約が多いものでしたが、最近だとDSPIAEやAKインタラクティブといったブランドがものすごく実用的なアイテムをバンバン投入してプラモデルシーンを文字通り塗り替えようとしています。そして今回オススメしたいのがArrtxのアクリルマーカーです。ガチですごいので、いますぐ買うべきです。本当に。

 キャンバスはもちろん、石、木材、プラスチック、金属、布、ガラスなどなどとにかくどんなもんにも描けてしまうArrtx製アクリルマーカー。「プラモデル用」というよりももっと広汎なハンドクラフト用に販売されているわけですが、めっちゃ濃い顔料によってとにかく発色がすごい。水性インクだけど乾いたら溶け出さないし、使用前にカチカチ振ったりペン先を押し込んだりする必要もないし、無臭だし速乾だし何より色数が豊富すぎて最高。TV見ながらリビングのソファーでガンダムのパーツをランナーのままフリーハンドで塗ってこれだもんなぁ。めちゃくちゃすごいですよ。

 これまでプラモデルのマーカー塗装といえば「広範囲をキレイに塗る/細部にほんの少しだけ色を乗せる」のどちらも気持ちよくこなせるとは言い難く、缶スプレーやエアブラシや筆よりも劣る「補助的」あるいは「代替的」な手段として捉えられてきたフシがあります。それはひとえに色数の制限、インクの発色性能、そしてなにより固いうえにインクの流量が不安定なペン先の取り回しが理由だったはずです。しかし適度に柔らかいフェルト製の尖ったペン先から一定の量のインクがが滑らに出ること、色数が豊富なこと、そしてそれがしっかりと発色するというプラモデル塗装に最適な性能を持つペンが出揃いつつあります。

 このマーカーの良いところは広いところも狭いところも同じノリで塗装できてしまうところ。フェルト製のペン先は尖ったところを使えばある程度細かいところも塗装できるのでほとんど筆塗りと同じ感覚で使えます。「ものすごく狭い谷の側面」みたいなところは物理的な制約がありますので要注意(これは筆も同じやね)。

 もちろんペン先を寝かせればガバっと広い範囲を素早く塗れます。表面がつや消しになったのを見計らってから塗り重ねればムラが消え、さらに他の色を乗せても色が混ざることはありません。隠蔽力は色によって少々強弱があります。アクリルマーカーも魔法じゃないからこのへんは顔料の振る舞いとして塗料の原理原則に従う感じです。ガンダムの色で言うと赤はものすげー発色します。彩度の高い青や黄色は3回くらい塗り重ねたい感じで、明度が高い色やちょっと濁った色ほど素早く発色する印象です。

 まったく処理していないプラスチックの表面に直接ザーッと塗り広げると少々弾かれる場合もありますが、これも数回塗り重ねればほとんど気にならないレベルに収まります。これからいろいろテストしますが、例えばつや消しクリアーを吹いた上から、あるいはサーフェイサー(白やグレーの下地塗料)の上から塗装すればもっと安定した性能を発揮するものと思われます。ムラが気になる場合は発色よりもツヤのバラつきのせいであることが多いので、トップコートをするとキレイに落ち着くでしょう。

 このArrtx製アクリルペイントマーカーは、ミリタリー系の色に強いAKインタラクティブ製のリアルカラーマーカーと使い心地はほぼ同等で、実売価格が一本100円以下。そんで彩度明度の高いキャラクターモデル向きの色がトーン違いでズラッと並んでいるところが素晴らしい。さらにこのマーカーセットの素敵なところは、グレートーンとスキントーンの色幅がものすごく豊かなこと!

 ニュートラルな無彩色のグレーとウォームグレーの明るさ違いは例えばガンプラの白い部分にアクセントを加えたり、関節の色の印象を替えるのに最適。さらにスキントーンは明るい肌から褐色の肌まで、明るさ違いがズラッと20色ほど取り揃えられています。そしてもちろん、一瞬でガバリと発色するゴールドとシルバーもラインナップ!

 Arrtxのアクリルマーカーはコンパクトなセットから大ボリュームのセットまでかなり幅広く取り揃えられていますが、グレートーンを一網打尽にするとかスキントーンを一網打尽にするという目的がある場合は120色セットが絶対にオススメ。あとはそれぞれのカラーチャートとにらめっこして欲しい色を揃えましょう。セットごとに微妙に欠番が被っていたりするのでコンプリートしようとするとけっこう大変かも(これが模型店でいつでも単色で買えるようになるとだいぶ嬉しいな)。

 キャラクターモデル、スケールモデルといったジャンルはもちろん、面積の大小も気にせず、「あ、ここに色を置きたい」と思ったときにキャップを開けてビッと塗ればOK、準備も後片付けもいらない……というのは本当にすごいことです。塗装には「味」とか「手触り」みたいなものが欲しいばあいもありますし、筆、エアブラシ、缶スプレーにもそれぞれのメリットがあり、もちろんそれを過去のものとして消し去る存在ではありません。しかし、「いつでもどこでも迷わず匂わずサッと色を塗れる」という意味で、このペンは圧倒的なアドバンテージを持っています。みなさんも、ぜひ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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