明らかに「タミヤ超え」を狙ったキット内容に驚く/プラッツ nunu BMW M8 GTE 2020 デイトナ24時間レース ウィナー

 小学生から中学生時代にかけて、通過儀礼的に対峙したスーパーカーブームと第一次F1ブーム。以降、何台のカーモデルキットを完成させたかはさておくとして、カーモデル業界の動向やキット内容に関しては逐一チェックを入れ続けてきたのだが、ここ最近になりその勢力分布図が明らかに変化してきていることに対し驚きを隠せない。

 無論販売個数に関しては知るよしもないが、nippperの過去記事でも取り上げられたBEEMAXやnunuによるアジア系海外メーカーの新製品が、新旧レーシングカーモデルにおいてあの「巨星」タミヤとバチバチの戦いぶりを繰り広げているのだ(※国内メーカーであるプラッツは、主にこれらの輸入代理や企画業務を担当)。

 では、今回はnunuの新製品である、1/24 BMW M8 GTE 2020 デイトナ24時間レースウィナーに目を向けてみよう。

 2020年仕様に合わせ、ボディはツヤありの黒、インテリアやアンダーパネルは黒に梨地加工の質感表現を施して成形されており、カーモデラーならばこのボディパーツを見ただけでも「メーカー側のやる気とその底力」を必ずや感じ取れるはずだ。

ホビコレ 1/24 BMW M8 GTE 2020 デイトナ24時間レース ウィナー

 なぜならば、その昔の海外メーカー製カーモデルは、その大半が「……タミヤ製品というすばらしいお手本が世の中に存在するのに、どうしてそれを完全に無視し続けるわけ?」といった内容であったのだが、BEEMAXやnunuの製品は企画当初から明らかに「タミヤ超え」を意識したものとなっている(とくに、タイヤパーツとホイールのその極めて正確な形状に対し大いにシビれさせられる!)。

 さらに、本作においても付属の水転写式デカールがずば抜けてすばらしく、印刷の発色が見事なのは言うまでもなく、ボディの曲面やエッジにもピタリと貼れる驚異的なクオリティを有している。デカールのフチに存在するニス部分に至っては真剣にほぼ目視できないほどの仕上がりを見せ(つまり、デカールの余白部分のニスは「ほぼ0mm」と言い切ってしまって構わない)、これまで大判のデカール貼りに手こずってきたカーモデラーなら「いままでの苦しみはいったいなんだったのか」と思わずにいられないほどのデカールなのだ。

 また、BMWの意匠であるキドニー・グリル(ノーズ先端中央に存在する2個のエアダクト)も縁取りと内部が別体パーツになっているので、外装は最近のガンプラのように「塗装を終わらしてから組む」という行為も可能になっている(ただし普通に製作するとキドニー・グリルの内側が丸見えになってしまうため、そこが気になる人は少なからずいるかもしれない)。

 とにかくカーモデルに関心がある方ならば、プラッツの取り扱うBEEMAXおよびnunuの製品を一度手に取ってみてほしい。必ずや、そのキット構成と完成度に舌を巻くはずだ。

ホビコレ 1/24 BMW M8 GTE 2020 デイトナ24時間レース ウィナー

あさのまさひこ
あさのまさひこ

知る人ぞ知る、知らない人はまったく知らない模型文化ライター。
五十嵐浩司氏との共著『’80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録』(竹書房)絶賛発売中。