「日焼け肌専用塗料」で黒ギャルコスプレイヤーのプラモデルを塗る

 冬は黒ギャル(季語)。黒ギャルコスプレイヤーのプラモを塗りたいと思っていたのですがそもそも「黒ギャル色」という塗料はないので塗れない。そもそも黒ギャルがどんな色なのかというのはかなり難しく、茶色じゃないしオレンジじゃないし黒ギャルは黒ギャル色としか言いようがない。やってみればわかります。

 しかし!!!!!!!!!

 GSIクレオスというメーカーには黒ギャル用塗料があったのだった。ということで黒ギャルを塗ることにしたいと思う。黒ギャルへの道のりは少々長い。そのものズバリの塗料が1本あるのではなく、何層かに塗り重ねることでプラスチックが黒ギャルへと変貌していくのだという。このへん、やってみなけりゃわからないしうまくいくかどうかも経験則でどうにかしていくしかない。

 まずGSIクレオスから発売されている「ラスキウス」という塗料のシリーズがある。これは肌のベースとなる色(色白〜褐色に応じて選択する)に上から赤/オレンジ/ブラウン/ホワイトのクリアーカラー(これも好みの色になるよう選択と塗り重ねが必要)を乗せるというのがシステム化されたものである。現在9種類の塗料が発売されており、下地4種類、クリアー4種類、そして仕上げ用のパールコートが1種類のラインナップとなっている。

▲黒ギャルのランナー
▲バニースーツは実質山水画
▲耳に添えた指の表情にご注目いただきたく

 まずはこれを組み立てる。パーツの合わせ目消しはタミヤの瞬間接着剤イージーサンディングで行った。この話は今度書く。そして今回は色味を見たいだけなので合わせ目消しのパワーは60%くらいで勘弁してもらうことにした。貼った後だとマジで手が入らないところがあるなどの学び。

 合わせ目とかゲート跡(パーツを切った痕跡)などがちょっと目立つので、サーフェイサーという下地塗料で全体を整える。人間の肉は赤いので、ピンク色のサーフェイサーが有用だ。最近発売された新製品「Mr.フィニッシングサーフェイサー1500 ピンク」を吹いていく。

  続いてGSIクレオスのサイトに「元気系な赤褐色肌色のベース」と書いてあるCL07 LASCIVUS 鴇羽色(「ときはいろ」と読み、DIC岡里帆がCMで言っているとおり、トキの羽に太陽の光が透けて見える色である)を吹く。ちなみにラッカー系だし重ね塗り前提だし人間の肌なのでエアブラシ推奨塗料なので注意!

▲たしかにちょっとだけ褐色寄りの肌色になる。

 セラミックファンヒーターの前で黒ギャルの肌が乾燥していくのを尻目にエアブラシを洗浄。次に吹くのはCL05 LASCIVUS クリアーペールブラウンである。肌に透明感を付与しながら茶色い色味を足していく作業だ。

 褐色の肌がみるみる現れる。なんというか、「色を塗る」というのが塗料の色そのままが面に付与されるというふだんの認識と異なる事態だ。3層の色味が重なり合い、人間の肌らしい色がじわじわ立ち上がっていくのが面白い。初めての経験というのはいつも面白いので初めての塗料もこうして試すしかないし、試すとだいたい楽しい。

 最後にCL09 LASCIVUS スムースパールコートを上掛けした。あまり違いを感じられないかもしれないが、肌の艶が少し落ち着き、きめ細かいキラキラの質感が加わることで上品な黒ギャルになる。上品な黒ギャル……それは……。

さて、ラスキウスシリーズを初体験した感想としては「確かに褐色肌を塗ることができるが、狙った通りの日焼け度合いにするのはやや経験値が必要」という印象。パキパキのオレンジ系日焼け肌ではなく、日サロで重ために灼けた肌を再現しようとすると少し検討の余地がありそうだ。下地の色でより黒い感じにするべきか、クリアーブラウンを何層にも重ねて発色させることで色味を暗くしていくのか、このへんはある程度の経験と知識が必要になりそうである。しかし、システム化された「人間の肌の色を塗るための塗料」というのが大手メーカーから供給され、どこの模型店でも買えるというのはとてもおもしろい事態だと思う。

 こうした微妙な肌色の違いを再現しつつ、透明感と奥行きのあるカラーは自前で調色して組み合わせるのがなかなか難しい。nippperでも「どの下地に何を塗るとどんな色になるのか」というのをいろいろ組み合わせて遊んでみたいと思っているので、フィギュアの肌塗装をしたい人は参考にしてほしい。みなさんも、ぜひ。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。