せっかくの自分の時間、自室にこもってプラモ……というのもいいんですが、テレビも見たいしビールも飲みたいしパートナーと会話も楽しみたい。そんな日は晩酌モデリングがオススメ。最低限の道具とお気に入りの小さなプラモを用意して、サラサラっと流れる楽しい時間を過ごしたいもんです。
そんな時にフィットするプラモがミニスケール(1/72や1/76)の戦車模型。パーツ数がそこまで多くないものを選べばカタチになるのも速いし、すべて組み上がった後でも気が向いたら塗装できる!というのがナイスです。先日紹介したホビーボスのメルカバなんて最高。手のひらサイズなのにギンギンのディテールが凝縮されているし、パーツ数も抑えられているというありがたいキットです。
リビングに大量の工具を持ち込むのもアレだし、こまかいプラスチックの破片がテーブルに散らばるのもNG。ということで、用意した工具はニッパー、デザインナイフ(アートナイフ)、ピンセット。プラモ用の接着剤はトロトロのものとサラサラのものがあれば盤石。さらにプラモ向上委員会のワークステーションがあればセッティングはカンペキに整います。アレだね、自室の作業机で作るプラモが家で作るカレーだとすれば、この最小限のセットを部屋から持ち出してモデリングするのはキャンプで作るカレーみたいなもんです。そう思うとミニマムな道具をいい感じに揃えたくなってくるでしょ。
接着剤の匂いがチョットね〜という感じはあるのですが、このへんはおうちの人との関係構築とか換気とか、あと臭わない瞬間接着剤やリモネン(乾燥時間がきわめて長くなりますが、いわゆる有機溶剤の匂いがしない接着剤)を使うといった選択肢もあるので各自工夫してください。
このメルカバ、タラタラと会話したりビール飲んだりテレビを眺めたりする時間がちょいちょい挟まりながら組み上がりまで45分でした。砲塔上面に3つも装備されている機銃がちょいと細かくてピンセットアニキの出動を要請しましたが、そこ以外は本当にスルスル組めます。楽しい〜。
信じられないかもしれませんが、プラモって完成したところしか見たことない人が大勢います(そしてそういう人はそれを自分で切って貼って塗るもんだということをマジで知らなかったりします)。ランナーの美しい様子、パーツをちまちま切り離している様子、そしてそれがパチパチと組み上がっていく様子はそれを目の当たりにした人にしか分からない魅力です。コミュニケーションを取りながら、ミニマムな道具でもスマートに作れるということが家族やパートナーに理解されると、あなたのプラモライフがもっともっと楽しくなるはずですよ!
みなさんも、ぜひ。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。